うつ病などの「心の病」の人の助けになる正しい接し方について

2017/7/11

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

うつ病などに代表される心の病―。
平成20年時点では日本人の40人に1人が、それによって通院・入院をしていることが明らかになりました。このことから、心の病を発症するのは特別なことではなく、誰にでも起こる可能性があるのです。この記事では、そんな心の病の代表例とされる“うつ病”患者への正しい接し方をご紹介します。

絶対に言ってはいけないワード・やってはいけないこと

心の病気は、本人が苦しんでいても周囲からはわかりにくいという特徴があります。そのため、悪気が無くてもうつ病患者を傷つけてしまっている場合もあります。ここで心の病の人に対する接し方を学び、l今後に活かしていきましょう。

「頑張って!」「元気出して!」

よく言われることですが、このような励ましの言葉は、本人にとってプレッシャーとなってしまうことも少なくありません。治療を続ける上で、何事も気負わせないことを心がけてください。

「心の病は気の持ちようで治る」

このように患者を「精神的に弱い」などの言葉で責めることは絶対にやめてください。心の病は、体の病気と同じように専門知識のある医師や医療関係者による治療を必要とするものがほとんどです。病巣は目に見えませんが、すぐに治るものではありません。心の病を軽く考えてはいけないということを、しっかり理解しましょう。

事前に相談せずに精神科に連れていく

たとえ相手のことを親身に考えた故の行動だったとしても、突然精神科に連れていかれてしまったら、その人は家族や周りの人を素直に信じることができなくなってしまいます。

正しい接し方とは?

家族や友人ができる最良の支援は「話を聞く」ことです。うつ病の人たちは、多かれ少なかれ不安や恐怖と闘っており、その気持ちが理解されないと感じることで、辛い気持ちがさらに強くなっていきます。そのため、本人が「自分には理解者がいる」と思えるように、まずは想いをじっくりと聞いてあげてください。

そのときに話のつじつまが合わないことや疑問を感じるようなことを言ったとしても、否定せずに最後まで聞くようにしましょう。カウンセリングなどの特別な経験やスキルは必要なく、ただ相手の目をみてうなずいて聞くだけでいいのです。それだけでもその人の気持ちは落ち着いていくことでしょう。
本人が落ち着いたところで、精神科・心療内科などの専門施設の受診を検討してあげてください。もしも本人が専門施設での治療に抵抗があるようであれば、普段から受診している医師や地元の保健所などに相談し、第3者の立場から専門施設への受診を提案してもらうのも良いでしょう。

自殺のリスクがあることを常に忘れずに

うつ病には自殺のリスクがあることは決して忘れないでください。万が一、本人が自殺をほのめかすような言動(希死念慮)をとった場合、決して軽く考えず、緊急事態だと留意しましょう。相手の様子に十分注意を払い、すぐに主治医に報告するか、精神科(神経科)を受診するなど、迅速に対処することが重要です。

おわりに:うつ病などの心の病には周囲のサポートが不可欠

私たちは病気や怪我をした人には「無理はしないでね」と、自然に声をかけることができます。また、骨折をしている人に重い荷物を運ぶことは頼むことはしないでしょう。しかし心の病は外見ではわかりにくいため、気づかないうちに無理なことをさせたり傷つけたりと、病状を悪化させてしまうことをしてしまう可能性が高いので注意しましょう。

うつ病の改善には周囲のサポートが必要不可欠です。心の病は体の病気と同じであるということを理解し、優しく接していきましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

うつ病(66) 治療法(66) 接し方(8) 心の病(2)