自殺を予防するための注意点―大切な人の自殺の兆候を見逃さない方法

2017/7/11

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

誰かが自殺を試みているとき、明らかに危険な兆候がみられることがあります。自殺の兆候がいつもこの兆候に当てはまるとは限りませんが、注意が必要です。今回は、自殺の危険性の高い兆候をご紹介します。

自殺しようとしている人がいて心配している

誰か知っている人が自殺を考えているかもしれないと心配しているなら、その人がどのように感じているか話をするように声をかけてみましょう。聞いてあげることが最も効果的な方法と考えられいますので、解決策を出したり、判断をしたりすることは避けるようにしましょう。 以前にうつ病などの精神的健康状態があると診断された場合は、治療をしたケアチームの医師に相談して助言を求めることができます。

危険性の高い警告兆候

その人が以前に精神病と診断されている場合は、治療を受けているケアチームのメンバーまたはその医療センターまたは診療所に連絡しましょう。 人が自殺を試みる危険性が高いのは、次の場合です。
・自殺や死について話したり、書いたりする
・薬を沢山ストックしている
・自暴自棄な言動がある

その他の警告兆候

また、次のような場合に自殺を試みる危険性があります。
・絶望感を訴える
・突然、暴れたり、怒ったりする
・現在の状況を打開する方法を見つけることができないなど、閉塞感について話す
・自傷行為 – 薬物やアルコールの乱用を含む、または通常量よりも多く摂取する
・食欲の変化により体重が著しく増減する
・家族、社会全体からますますひきこもる
・不安があったり、興奮しているように見える
・寝ることができないか、常に眠っている
・突然気分の変化がある – うつの期間後、急に気分がハイになることは、自殺を試みる決定を下したことを示している可能性があります
・自分の人生には何の目的もないということを示唆するような話や行動をする
・自分の外見を含む、ほとんどのことに無関心になる
・自分の持っているものを選別したり、意思決定したりする際の、順序づけができない

こうした警告兆候のいずれかを、友人、親戚またはパートナーが気づいたろきは、どのような気持ちなのか話を聞いてあげましょう。 また、メンタルヘルスのために治療を受けている場合は、医師またはそのケアチームのメンバーと心配している事項について共有するようにしましょう。

孤独にさせない

社会から隔離されることは、自殺の重大な危険因子です。周りの世界とできるだけ関わり続けることが大切です。今までと同じように仲の良い関係を維持し、関心を持ち続けてあげましょう。また、本愛好家グループやウォーキンググループなど、地域のアクティビティグループに一緒に参加することもおすすめです。地元の図書館、コミュニティーセンター、役所などで自分の地域にある様々なグループやクラブの詳細を得ることができます。 研究によると、慈善活動やその他の自発的な活動を通じて、他の人を助けるために定期的に時間を費やす人々は、通常、一般の人よりも精神的に健康だという結果があります。地元の慈善団体やボランティア団体でボランティア活動を行うことは、精神的な健康を維持することに非常に役立つと言えるでしょう。

おわりに

もし、あなたのまわりに自殺の兆候のある人がいたら、最悪の事態が起こる前に予防することが重要です。もし今にも自殺しそうな状態なら、周りの人間に助けを呼びましょう。

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