記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/11
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
むし歯予防の歯磨きと同様、喘息は発作が起こらないようにケアしていくことが大切です。喘息薬には主に吸入タイプが用いられ、喘息を予防するために毎日使用される長期管理薬と、症状が起きたときに使用する発作治療薬の2つがあります。今回はこの2つの薬について解説しましょう。
気管支喘息(以下、喘息)は、ほこりなどのアレルゲンに過敏に反応して気道が狭くなる呼吸器疾患です。発作の起こりやすい状態が慢性化すると、突然の咳き込みや呼吸をするたびにゼイゼイ、ヒューヒューといった音がする喘鳴、息苦しくなる、といった症状が頻繁に起こるようになります。
喘息発作を予防するために最も重要とされる薬であり、気道の炎症を抑え発作が起こりにくくすることで、発作をコントロールするために使われます。長期管理薬は、毎日吸入するものであり、吸入ステロイドが最も重要とされています。それに加えて長時間作用型β2刺激薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、徐放性テオフィリン薬などが主に使われ、これらの薬剤を使用しても管理が不良の際は最近では長時間作用型抗コリン薬を用いることもあります。
喘息治療で最も重要とされる薬がステロイドやその他の抗炎症薬であり、その主なものとして用いられるのが吸入ステロイドです。気管支だけに作用するため、経口タイプより副作用が少なくなります。気道の炎症、腫れ、痰を抑え、体の負担を小さくしていきながら発作をコントロールします。
コントローラー(長期管理薬)に対して、発作が起こったときに速やかに症状を抑える(リリーフする)ために用いられます。これはあくまでも緊急処置として使われる薬であり、発作をコントロールするために使われるものではありません。医師の指示に反して過度に使用してしまうと、喘息のコントロールがうまくいかなくなってしまう恐れがあるので注意しましょう。
発作治療薬として、短時間作用性吸入β2刺激薬が用いられます。その他喘息発作が激しい場合は経口副腎皮質ステロイドなどの治療が必要となることがあります。
喘息は正しく薬を使用することで、管理が可能とされている病気です。医師に行動計画といわれる治療計画を作ってもらい、計画通りに発作を管理するように努めてください。喘息の症状が管理されていないと感じる場合は、医師に相談して行動計画を作りなおしましょう。