記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/2/17
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
オピオイドは、疼痛(とうつう)を和らげるための麻薬系鎮痛薬です。多くは、手術後の痛みやがんの疼痛の緩和などに使用されます。長期間あるいは過剰に服用するとオピオイド中毒になることがあります。
オピオイドは、手術後の短期間の痛みなどの急性疼痛や、がんの疼痛治療に使われます。手術後の激しい痛みや予防、がんの痛みをコントロールするのに役立ちます。
以下に、国内で使用されている主なオピオイドの種類を示します。
軽度~中等度の痛み治療
・オキシコドン
・コデイン
強度の痛み治療
・モルヒネ
・オキシコドン
・フェンタニル
以下のような副作用がみられます。
・眠気
・吐き気
・便秘
・かゆみ
・呼吸困難や排尿困難
オピオイドは重度の痛みに効果があり、胃などの内臓出血を起こしません。 医師の指示どおりに服用すれば、手術後にオピオイド中毒になることはまずないでしょう。
多くの鎮痛薬や不安防止薬、睡眠薬もそうですが、医師の指示よりも多くの薬を服用したり、必要がないときに薬を服用したり、アルコールやほかの薬と混ぜて服用したりると、中毒、薬物相互作用、過剰摂取などの重大な問題につながることがあります。オピオイドは麻薬系鎮痛薬ですので、乱用すれば麻薬中毒と同様の症状を起こします。
オピオイドのほかに痛みを抑える薬は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、局所麻酔薬があります。
中毒性がなく痛みを抑えることができるので、軽度の痛みに対して使用されます。まれに気分不良、胃出血、腎臓の障害や血液凝固を妨げ、高血圧を悪化させることがあります。痛みが激しいときはオピオイドを服用して緩和を図ります。
からだの一部分の麻酔です。痛みが伝わる神経の伝達をブロックします。
かつて、手術後の痛みは我慢するものと思われていました。しかし、痛みをコントロールすることは治癒(ちゆ)を促進し、患者の生活の質(QOL)も向上することがわかっています。
「痛いの痛いのとんでゆけ~」ではなく、痛いときは「痛い! 」と我慢せずに声をあげましょう! 鎮痛薬は、医師の指示に従い用法・用量を守って服用すれば安全で効果的です。