記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/13
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
急に腕が上がらなくなった、肩こりがひどく、首をまわそうとすると痛みが走る……。
その症状、五十肩の可能性があります。五十肩になると仕事にも支障が出てしまうので、悩んでいる人も多いと思います。まだ五十肩になっていない人も、いつなるのかと怖い思いをしている人もいるでしょう。五十肩は、原因を知り対策することで、ある程度発症を防げる場合があります。
この記事では、五十肩の原因とリスクについてお伝えします。
五十肩は、肩の関節の周囲の炎症によって起こる症状です。通常、痛みとこりが徐々に進行し、悪化し、最終的に何も感じなくなります。
このプロセスには、1~3年かかるといわれています。
肩は、肩と腕を接合するための3つの骨で構成されています。上腕骨、肩甲骨、そして鎖骨です。また、肩の関節の周りを包むように関節包と呼ばれている組織があります。
五十肩の人の関節包は、柔軟性を失い動かしにくい状態になっています。その結果、関節の周りのスペースが狭くなり、動きが制限されてしまいます。
加齢により、関節を滑らかに動かすための滑液と呼ばれる液体も少なくなっています。その結果、関節の動きがさらに制限されてしまうのです。
今みたように、五十肩は、肩関節を囲む関節包が腫れることで起こるといわれています。
肩は、腕と肩の骨が結合する部分で、上腕骨の末端が、肩甲骨のへこみにはまっている状態になっています。肩の関節包は、腕を頭の上に上げると完全に引き伸ばされ、腕が下がると小さな袋のように垂れ下がります。硬くなり腫れてしまうと、その動きがうまくいかなくなり、肩が動かなくなると考えられています。
脳卒中や、腕を動かせなくなる手術(乳房切除術など)の回復段階で、五十肩になることもあります。
特定の病状がリスクを高める可能性もあり、糖尿病の人は、五十肩にかかる可能性が高いとされています。糖尿病患者の約10〜20%に五十肩が見られるという報告があります。その他、心臓病、甲状腺疾患、またはパーキンソン病のような他の疾患も、五十肩に関連しているといわれています。
必ずしも原因が特定できるわけではありませんが、五十肩の発症のリスクを高めるいくつかの要因を次にまとめました。
40〜60歳の年齢で起こることがほとんどとされ、男性よりも女性の発症率が多いといわれています。
五十肩は、肩や腕の怪我(骨折など)の後や、肩の手術を受けた後に発症することがあります。その理由は、回復中に肩と腕を使わないことで、肩の関節包がきつく締め付けられていることが原因と考えられています。
病後に肩が痛い場合は我慢をせず、医師の診察を受けることをお奨めします。
先ほども触れたように、糖尿病がある場合、五十肩を発症するリスクが高くなります。正確な理由は不明です。糖尿病がある人は、五十肩の症状がより重症で、治療するのが難しい傾向があります。また、両方の肩にその症状がみられる可能性が高いです。
次のような問題がある場合、五十肩を発症するリスクが高くなることがあります。
・心臓病
・脳梗塞
・肺疾患
・甲状腺疾患(甲状腺機能亢進症、または甲状腺機能低下症)
・乳がん
・デュピュイトラン拘縮
肩を動かすことが少なくなると五十肩になりやすいです。整体やストレッチ、運動なども取り入れ予防に励みましょう。また、五十肩を発症した後は、医師の指導のもと、症状に合った運動を行いないましょう。