「アスピリン」とはどのような薬か?―アスピリンの効用や副作用

2017/7/12

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

アスピリンとは頭痛薬や解熱剤として一般的な薬であり、多くの人が一度はお世話になったことがある薬でしょう。

では、アスピリンはどのような薬であり、どのような使われ方をしているかご存知でしょうか?この記事では、そんな身近な薬「アスピリン」の効用や飲み方、副作用について解説していきます。

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アスピリンとは

アスピリンは一般には高容量で用いると頭痛や生理痛、歯の痛みなどの痛み止めや、解熱薬としての効果を発揮します(商品名バファリンなどが有名ですね)。また、低用量(通常75mg程度)のアスピリンを長期間服用すると、血液の粘着性を低下させ、血栓の発達を抑制する作用が働きます。そのため、以下のような疾患の治療にも使われます。

・心臓発作または狭心症
・脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)
・末梢動脈疾患(PAD)
・冠状動脈バイパス手術など、心臓や血管に関する手術

アスピリンを服用するときは


自分で買って飲むときは説明書に従い、病院から処方されたときは薬剤師の指示に従いましょう。ここでは一般的な服用方法をご紹介します。

アスピリンの服用方法

・高用量のアスピリンは、痛みを和らげるために服用します。症状が治まるまで服用を続け、服用の間隔は少なくとも4時間空ける必要があり、1日3〜4回まで服用できます
・低用量のアスピリンは血栓を予防するためのものなので、通常1日に1回、長期間にわたって服用します

ただし、アスピリンも他の薬と同様副作用がありますので注意が必要です。

アスピリンの副作用

・消化性潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍)、
・通常よりも、出血したり、あざができやすくなる(出血傾向)

そのほかにまれな副作用として以下のような症状があります。
・蕁麻疹
・耳鳴り
・呼吸困難または喘息発作
・アレルギー反応 (呼吸困難、口、唇または喉の腫れ、突発的な発疹など)
・消化管出血(出血の結果、色が黒くタール状の便がでたり嘔吐したりすることがある)
・脳内出血(出血の結果、突然の重度の頭痛、視力障害、脳卒中などの症状が現れることがある)

アスピリンは血液をさらさらにしますが、逆に出血のリスクが高まるため注意が必要です。このような症状が出ることはあまりないですが、もし不調を感じたら服用をやめ医師に相談しましょう。

飲み忘れたときは

血栓の治療のためアスピリンを服用していて飲み忘れたときは、気付いたときに飲み忘れた分をすぐに服用しましょう。そしてその後、通常通り服用を続けます。次の服用のタイミングまでにほとんど時間がない時は、1回分を飛ばして服用し、そのまま通常のスケジュールで服用を続けるようにして下さい。忘れた分を補おうと、2倍の量を服用してはいけません。

アスピリンの服用時に医師への相談が必要な人とは


ほとんどの人がアスピリンを問題なく服用できますが、もし以下でご紹介する条件に当てはまる人は薬剤師や医師にアスピリンを服用してもいいかどうか確認しましょう。

・過去にイブプロフェンなどのアスピリンや非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)でアレルギー反応を起こしたことがある
・喘息がある
・過去に胃潰瘍があった
・肝臓や腎臓に重度の問題がある
・血友病などの血液疾患がある
・コントロール不良の高血圧
・16歳未満の子供
・65歳以上
・妊娠している、授乳中である、または妊娠しようとしている
・他の薬を服用している – 下記の他の薬との相互作用を医師、薬剤師に確認しましょう

おわりに:アスピリンには痛み止め、解熱、血栓の治療などの複数の効果がある

アスピリンは多くの人に頭痛薬や解熱剤として利用されていますが、血栓の治療にも使われています。服用量や期間によって効果が違うので、医者や薬剤師の指示に従って服用しましょう。また、よく知られている薬ですが注意すべき副作用があります。もしアスピリン服用中に体の不調を感じたら、すぐに薬を飲むのをやめ医師に相談してください。

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