腰痛改善のための正しい寝方。今晩から始められるおすすめ対策5選

2017/7/11

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

慢性的な腰痛をかかえていると、快適な睡眠が難しくなります。睡眠不足はストレスの原因となり、ストレスは心身に様々な悪影響をおよぼします。もちろん、腰痛も例外ではありません。このような悪循環を脱出するためには、日ごろの睡眠習慣を見直すことが重要と考えられます。今回は腰痛解消につながる“正しい寝方”について解説していきます。

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正しい寝方のためのおすすめ対策5選

正しい姿勢で寝る

自分に合った姿勢を見つけることは、腰痛の緩和に役立ちます。横向きで寝るときは、膝の間に枕をはさみ、少しかがみこんで「く」の字になってみましょう。仰向けのときは、膝の下や腰の下に枕やタオルを置いてみてください。うつぶせで寝ることは、腰に強い負荷がかかりますので控えることをおすすめします。どうしてもうつ伏せでなければ眠れない場合は、腰への圧力を取り除くため、お腹の下に枕を置きましょう。

自分にあうマットレスを手に入れる

かつてはしっかりした固めのマットレスが推奨されていましたが、最近の研究では、腰痛の人が固すぎるマットレスを使うと腰痛悪化の原因になる可能性があることが分かってきています。しかし、すべての人に柔らかいマットレスが適しているわけではありません。やわらかいマットレスは体が深く沈むため、ねじれた姿勢になりやすく、関節に負担がかかり痛みが悪化する可能性があるといわれています。つまり、それぞれの体格や体の状態によって適したマットレスは異なるということです。ヒップがウエストよりも広い人は、眠っている間に背筋をまっすぐに保つことができるので、柔らかめのマットレスがよい場合が多いようです。ヒップとウエストが同じくらいであれば、サポートが必要なため、固めのほうがよいかもしれません。ショップのディスプレイなどで実際に寝心地を試し、自分に合ったマットレスを見つけましょう。

ベッド上で急に動くのは危険。動くときは慎重に

当たり前だと思われるかもしれませんが、ベッドに寝転んだり、起き上がったり、前かがみになったりするときに急に動くと、痛みが悪化する可能性があります。起き上がるときは。ゆっくり時間をかけて寝返りを打ち、両腕の力で起き上がりましょう。続いて、足をベッドの外に出し、ゆっくり立ち上がってください。寝転ぶときは、反対の手順で行いましょう。

体幹を鍛える

腰痛緩和の対策のひとつとして、積極的に体を動かすことが挙げられます。理学療法士や腰痛の知識を持っているトレーナーなどの指導に従い、腹部、腰、背中、骨盤の筋肉を鍛えましょう。これらの部位の筋肉を鍛え、柔軟性をつけることは、腰の緊張をやわらげる効果が期待できるため、睡眠時に筋肉が痙攣することの予防につながります。

就寝前に軽めのヨガ・ストレッチを

ヨガやストレッチは、ストレスを減らし睡眠の質を向上させるとともに、腰痛対策にとても効果が期待できることが、研究によって示されています。

かんたんにできる方法をひとつ紹介すると、

・うつ伏せの状態から両腕の手のひらを肩の高さと直角になる位置で地面につける

・プランク・ポーズといって、足をまっすぐ伸ばし、手のひら、肘、つま先で体を支える

・その姿勢のまま30秒程度維持。身体を直線に保ち、形が崩れないよう踏ん張る

ただし、腰痛やケガがある人が間違った方法で行うと、症状を悪化させるおそれがあります。すでに症状がある人は、始める前に医師やインストラクターの指示を仰ぎましょう。

おわりに:就寝前の習慣も見直しましょう

ここで取り上げたのは就寝時の対策でしたが、よりよい睡眠をとるためには一日の生活習慣も見直してみる必要があります。過度な飲食や飲酒、コーヒーの多飲などはしていないでしょうか。毎日決まった時間に寝ることも大切です。また、寝つきをよくするためには、適度な運動を取り入れることをおすすめします。こうしたことを実践していくことで、睡眠の質は向上しやすくなるでしょう。ただし、最初に張り切りすぎて疲れてしまい、すぐにやめてしまっては意味がありません。まわりの意見を参考にしながら、自分にできることから始め、気長に継続していきましょう。

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