記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/1
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
長く続く下痢に悩んでいる人も多いと思います。下痢の原因は様々であり、その原因を特定することが改善のために重要にです。ここでは、原因別の下痢のコントロール方法を紹介していきます。
なぜ下痢になってしまうのか、根本的な原因をつきとめましょう。単に食べ過ぎや食べ物にあたってしまったからなのか、ストレスが重なったことによる心的な要因をかかえているのかなどを検討してみてください。ただし、頻繁に下痢を起こしている場合は、病院で診てもらうことをおすすめします。その他、便の中に血が混じっていたり、急激な体重減少がみられるときは、大腸癌や糖尿病など、重篤な病気が原因になっている恐れもあります。
排便回数、食事内容を記録しておくと、原因の特定がしやすくなります。たとえば、平日よりも休日のほうが症状が改善もしくは悪化する傾向がある場合、その日の飲酒量や食べたもの、睡眠時間などの生活習慣など、どのような違いがあるのかふりかえってみましょう。また、アレルギーを抱えている人は、乳製品、脂肪質食品、カフェイン、人工甘味料、フルクトース、グルテンなど、特定の食品によって下痢を引き起こすことがあります。アレルギーによる下痢の場合は、医師や栄養士の指導のもと、正しい食事づくりが必要になります。
ストレスによる緊張状態は下痢を誘引します。仕事や家庭の問題からくる精神的なストレスや、過労、運動不足、睡眠不足といった肉体へのストレスが蓄積すると、うつ病などさらに深刻な病気になってしまいます。自分の趣味や運動などをつうじて、ストレスを解消し、リラックスできる方法を見つけましょう。
消化器管の中には「良い」細菌と「悪い」細菌が共存しています。前者のことをプロバイオティクス(善玉菌)といい、急性の下痢の改善だけでなく、クローン病や潰瘍性大腸炎のような難病が原因の症状にも有効的にはたらきます。腸内環境を整えるだけでなく、血中コレステロールを減少させたり腸内の有害物質の産生を抑えてくれるものもあります。感染に対する抵抗力が増したり、抗がん作用、アトピー抑制、ピロリ菌抑制などにも効果があるといわれています。 ヨーグルト、チーズ、納豆、味噌などが腸に届くプロバイオティクス食品です。あるいはサプリメントもあり、好みや体質に合わせて積極的に摂取するようにしましょう。
急にもよおしてしまったときのために、あらかじめ備えを万全にしておきましょう。手荷物や車のボックスなどに携行用のお手洗いキットを用意しておくと安心です。予備の着替えやティッシュ、下痢止めなども用意しておくこともおすすめします。
下痢のほとんどは感染症によるもので、特に薬を飲まなくても3日程度で自然に完治します。ただし、下痢になると急激に水分が失われます。下痢になったら脱水症状に注意し、こまめな水分補給を心がけてください。普通の水よりも、電解質、特にナトリウムとカリウムを含んだスポーツドリンクなどがよいでしょう。下痢が3日以上続いてしまうときは、特定の食品が原因のアレルギーやストレスなどが影響していないか、病院で詳しく調べてもらいましょう。