妊娠中の喘息は危険?赤ちゃんに与える影響と薬について

2017/7/29

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

喘息は空気を肺から出し入れしている通り道である気道が、何らかの原因により狭くなることで起こります。もし、あなたが喘息を患っていて妊娠した場合、赤ちゃんにどのような影響があるのか気になるところでしょう。薬の使用についても不安になるはずです。今回の記事では、妊娠中の喘息について解説します。

妊娠と喘息の関係性

過去に喘息の発症がなければ、妊娠によって喘息を発症することは稀ですが、すでに喘息のある女性が妊娠したときに、どのような変化が起こるかについては予測できません。喘息症状が改善したり、逆に喘息の症状が悪化することもあります。また、特に変化のない場合もあります。妊娠によって喘息症状が改善する人、変化のない人、悪化する人がそれぞれ1/3ずつと言われています。

喘息と妊娠に関する研究の調査では、喘息の症状が悪化するのは、妊娠中期から妊娠後期の間(だいたい妊娠第13週以降)が多く、妊娠第6ヶ月頃がピークといわれています。また、ある研究では喘息の症状が最も悪化するのは24~36週目という結果も出ていて、この場合、症状は治まってからは、90%近い女性が出産まで喘息の症状がでなかったそうです。

妊娠中に喘息を管理する方法

喘息がある場合、症状やライフスタイルなどに合わせた自己管理プランを作る必要があります。例えば、咳が出ていたり風邪をひいた場合には、喘息が悪化する可能性があるので、吸入ステロイド薬の使用を増やしたり、定期的に吸入し始めるようにします。基本的に、治療薬の吸入は、妊娠中でも問題ありません

妊娠中の喘息の悪化を予防する

妊娠中は胃酸の逆流も起こりやすいです。胃酸が食道を逆流するときの影響により、喘息が悪化さすることもあります。このような症状が出た場合は、医師に相談し、治療やアドバイスを受けましょう。妊娠中に喘息の悪化を予防するための方法には以下のようなものがあります。
・禁煙する
・ペットの毛などのアレルゲンを避ける
・抗ヒスタミン剤で花粉症を管理する。医師に妊娠中でも服用できる抗ヒスタミン剤の相談をする
・花粉症の誘因となるものを避ける

妊娠中の喘息の管理が重要な理由

妊娠中に喘息が管理できていないと、血中の酸素が少なくなってしまう危険性があります。成長中の胎児は母体の血液から酸素を受け取っているため、妊娠中でも正しく喘息管理を続けていくことが非常に重要です。喘息を正しく管理することで、未熟児、低出生体重、子癇前症(妊娠中の危険な高血圧)などの妊娠合併症のリスクを減らすことができます。

妊娠中も喘息の薬を続けても大丈夫か

妊娠期間中も、処方された喘息の治療方法を続けましょう。喘息が悪化しない限り、以前と同様の治療で問題がないことがほとんどです。勝手に喘息の治療をやめてしまい喘息が管理できない状態になると、母体に健康被害が起こり、その後胎児にまで健康リスクが及んでしまうと、赤ちゃんが低体重で生まれるなどのトラブルが起こる可能性もあるのです。自分の使っている喘息の薬が、出産時や授乳時に使用しても大丈夫なものか医師に確認し、妊娠中も正しく喘息を管理していきましょう。

赤ちゃんへの喘息の影響を減らすためにできること

喘息の管理をしっかり行うことは、健康的な妊娠のために必要なことです。以下のことを念頭に、喘息による赤ちゃんへの影響を減らしましょう。

喘息管理計画を作成する

医師とともに、喘息薬の適切な摂取方法と量を決定する

 喘息の誘因となるものを認識する

喘息を悪化させる誘因は何なのかについて日記に書きとめ、誘因を避ける方法を考える

おわりに:喘息を管理し健康的な妊娠生活を

健康的な妊娠生活を送るのに一番良い方法は、喘息の治療プランに従い、喘息の管理をきちんと行うことです。喘息がきちんと管理されていれば、自分にも赤ちゃんにも悪い影響はほとんどありません。妊娠したことがわかった段階で、医師に喘息をどのように管理したらよいのかを相談しましょう。

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