急性難聴の症状・原因・治療についてのまとめ

2017/7/26

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

難聴は誰にでも起こり得る病気です。ある日突然発症する場合もありますし、徐々に症状が出てくる場合もあります。最初はその症状に気づかないというとがあるかもしれませんが、発見が早いほど効果的な治療を行える可能性も高いため、できる限り早く難聴に気づくことが重要です。そこで、難聴の症状や原因・治療法について、この記事でわかりやすく説明します。

急性難聴とは?

急性難聴とは、人の言っていることや周囲の音が聞き取りにくいなど、耳の3つの主要な構造が損傷を受けたことで聴力に問題が生じている状態です。

症状

他の人の言っていることがはっきりと聞き取れない(特にグループで話している時)
・言ったことをもう一度繰り返してほしいと周りの人に頼む
・音楽を聞いたりテレビを見たりする時に、他の人が設定するよりも大きい音量にする
・どこから音がやってきているのか聞き分けることができなくなる
・何かを聞くときに集中しなければならず、それによって常に疲労やストレスを感じる
耳鳴りがする(耳の中でぶんぶん鳴る音、ヒューという音がする)

急性難聴の原因について


耳は外側から内側へ向かって外耳、中耳、内耳の3つに分けられます。

私たちの耳は、音の振動や信号がこの3つを通り抜けたときにうまく音を聞き取ります。難聴は、この3つの構造の1つあるいはそれ以上が傷ついてしまうことによって引き起こされるのです。

おおまかに述べると外耳は耳たぶから鼓膜までの部分、中耳は鼓膜とその奥(内側)にある鼓室、ならびに鼓室と鼻腔を結ぶ耳管を指します。内耳は中耳のさらに奥にある器官で、頭蓋骨の中(細かく言うと側頭骨の錐体と呼ばれる部分の内部)にある複雑な形の腔の中に、聴覚や平衡覚に関与する装置をもちます。

伝音難聴

音が内耳に届く前に遮断される状態です。耳垢によって伝音難聴が起こっている場合や、内耳の骨が大きく発達しすぎてしまい振動ができないことが原因となって起こる場合もあります。

感音難聴

音が内耳まで届いていても、内耳の中や音を感じ取る神経(聴神経)の問題によって適切に音が聞こえない状態が感音難聴です。例としては、騒音性難聴や加齢性難聴などがあります。また、伝音と感音の両方の機構に影響が及ぶ混合性難聴という症状が起こる可能性もあります。

中枢性難聴

この難聴の場合、耳は機能しているのですが、脳内で聴覚をコントロールしている部分が損傷しているために、脳で音を理解することが難しくなってしまいます。頭の怪我や脳卒中などの後に起こる可能性がありますが、このタイプの難聴はめったに見られるものではありません。

急性難聴の治療法について

耳垢が溜まっていることが原因の場合は、薬剤や耳かきの使用、吸引などによって難聴を治せます。菌による感染から起きた難聴は抗生物質で治療することができ、鼓膜の破損の修復、耳小骨の問題の矯正、滲出液の排出などは耳鼻科での手術で治療することができます。しかし、内耳もしくは脳に音を伝導する神経の損傷によって起きた難聴を治療するのは難しいかもしれません。ただし、聴力に障害が出た場合でも、補聴器などを用いた聴力の向上によって生活の質を保つ、あるいは上げることができます。

赤ちゃん・子供の難聴のサイン

赤ちゃん、原則として出生後数週間は新生児検診の一環として聴力検査を受けますが、以下のような事柄が自分の赤ちゃんに該当する場合は、再度医者の診察を受けることおすすめします。

赤ちゃんの場合

・大きな音に驚かない
・生後4ヶ月未満で、物音がしている場所の方に顔を向けない
・1歳になるまでに何も言葉を発しない
・赤ちゃんが親を見ているときには親に気がつくが、親が名前を呼んだときは気がつかない
・他の人には聞こえていない音が聞こえている様子がある

子供の場合

・なかなか話せるようにならない
・話す時に何を言っているのか分かりにくい
・親が何か言ったときにそれをもう一度繰り返してほしいと頼む
・質問に対して適切でない答え方をする
・名前を呼んでも反応がない
・とても大きな声で話すことが多い
・テレビの音量を非常に大きくしたがる
・他の人を見て指示を真似ようとする(指示が聞こえていないため)

番外編:高度難聴について

高度難聴とは何らかの音を聞き取ることができても、その音は非常に弱いものであるという状態のことです。他の人が普通の声で話していたとしても聞き取れない、かなり大きな音しか聞き取れない場合もあります。生まれつきのもの、ある日突然起こったり、何年にもわたって起こったり、片耳あるいは両耳、短期間あるいは長期間難聴など、原因や表れる症状は人によって異なります。

おわりに:急性難聴の症状が見られたら

急性難聴は(内耳もしくは脳に音を伝導する神経の損傷によって起きた難聴を除いて)発見が早いほど治療の手立てが増えます。自分の聴力に問題がある、またはお子さんに難聴のサインがあると疑われる場合には、早めに医者の診察を受けましょう。

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