頭痛はストレスが原因って本当? ツボ押しや薬など、有効な治し方について

2017/8/1 記事改定日: 2018/3/15
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

「痛みで頭がぼーっとする」など、頭痛は何かと辛いものです。実は、頭痛は家庭や職場などのストレスが大きく関わっていると考えられています。逆に言えば、ストレスを減らすことは発症リスクを下げることにつながる可能性があり、頭痛を未然に防ぐことができるかもしれません。そこでこの記事では、ストレス性の頭痛の治し方をご紹介します。

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ストレスで頭痛が起こる!?

頭痛はストレスが原因で起こることがあります。ストレスを感じると、私たちの体内ではストレスホルモン(副腎皮質ホルモン)が分泌され、血圧が上昇します。血圧が上昇すると血管が収縮・拡張し、脳の血液量が増えます。これによって、頭痛が起こります。

また、ストレスによる自律神経の乱れも頭痛の原因の一つです。ストレスがかかると、交感神経という緊張系の神経が活発になり、頭部の筋肉を収縮させて頭を締め付けるようになり、頭痛が引き起こされるのです。

頭痛の種類として有名な片頭痛や緊張型頭痛の原因の一つも、ストレスと言われています。

ストレスによる頭痛の治し方

ストレスによる頭痛を治すには、どんな方法が効果的なのでしょうか。

ストレスに効くツボ押し

ストレスによる頭痛を治すには、根本原因であるストレスを解消することが大切であり、手っ取り早くできるおすすめの方法がツボ押しです。ストレスに効くツボとしては、「合谷(ごうこく)」と「神門(しんもん)」があります。

合谷は手の甲側の、人差し指の親指の骨の付け根の分かれ目にあるツボ(やや人差し指側)です。精神的な緊張を緩和する作用があると言われます。親指を当て、気持ちいい強さで片手ずつ20〜30回程度押してみてください。

神門は、小指側の手首の横ジワの窪みにあるツボです。ストレスで乱れた自律神経を正常化する作用があると言われます。親指を当て、少し強めに20〜30回程度を片手ずつ押してみてください。

漢方薬の服用

漢方では頭痛は、ストレスや過労で「血(けつ)」や「気」の巡りが悪くなったことで引き起こされると考えられています。頭痛によく用いられる漢方は「呉茱萸湯(ごしゅゆとう)」で、冷えを取り除くことで「血」や「気」の乱れを改善し、頭痛を鎮める効果があるとされています。

頭痛薬の服用

根本的な解決ではありませんが、頭痛薬を飲むことで痛みを緩和するのも一つの対処法です。一般的な頭痛薬としては、ロキソニン®などのNSAIDsやアセトアミノフェンなどがあります。なお、片頭痛であればトリプタン製剤やエルゴタミン製剤、緊張型頭痛であればデパス®などの筋弛緩薬が効果的です。

その他のストレス対処法

そもそもストレスとは、有害な状況に対して起こる体の反応です。体が危機を感じると化学反応が起こり、脳が体の損傷を防ぐための行動を起こそうとします。そうすることで体や神経が緊張している状態になり、その結果のひとつが頭痛となって表れるのです。つまり、緊張をほぐすことがストレス軽減へとつながると言えます。それでは早速、具体的な方法を見ていきましょう。

充分な睡眠をとる

睡眠不足は体のストレス反応をより強くしてしまうと考えられています。1日に7~8時間を目安に、一定した睡眠時間を維持してみましょう。そのためには毎晩同じ時間に就寝し、毎朝同じ時間に起床するという習慣づけが必要です。週末であっても、あまりこのパターンを変えないようにしてください。

適度な運動をする

身体を動かすとストレスホルモンが低下し、いい気分にしてくれる化学物質「エンドルフィン」が体内で増加します。それによって気分もエネルギーも高まり、ストレスやその原因となるものへの興味も少なくなります。

姿勢を良くする

一見ストレスと関わりがなさそうですが、体をリラックスした状態にするのは緊張状態を防ぐために大切です。正しい姿勢は首への負担と筋肉の緊張を軽減します。真っ直ぐ立ち、猫背にならないようにしましょう。また、読書やパソコン作業のときは、首を前に曲げずに身体と一直線になるような姿勢を維持しましょう。

休む時間を取る

生活の中でやることが多すぎると緊張性頭痛につながり可能性があります。活動を減らして無理のない生活を送りましょう。ストレスの多い状況から少し離れて、休むことも時には必要です。定期的に「自分の時間」を持ってください。求められることが多く、スケジュールが詰まっているなら、大きい仕事を小さな塊に分けることで時間を作りましょう。

心をリラックスさせる方法

上記では体をリラックスさせるための方法を見てきましたが、ストレス軽減のためは心と身体両方からのアプローチが必要です。次は、心理的な面でのリラックスを促す方法をご紹介します。

家族や友人と過ごす

家族や友達といった大切な人と時間を過ごしたり、地域の活動やボランティアに参加したり・・・これらは気分を優れさせ、ストレスを軽減するのに効果的と考えられます。自分自身を元気付けながら人生についての考え方を見つめる良いきっかけにも、同時に他の誰かの人生にも良い影響を与える機会にもなり得るからです。

ストレス日記を書く

悩みの種について書くことが助けになる可能性もあります。ストレスを感じさせた出来事と、それらによってどんな気持ちになったかについて書く時間を1日に10~15分ほど取りましょう。この方法はストレスを記録することで、何がストレスを引き起こしているのか、そしてどれくらいのストレスを感じているのかを知り、より良い治療を行うための助けとなる側面もあります。また、心に溜めていた自分の感情を表に出して、友人や家族、カウンセラー、もしくは聖職者と自分の気持ちについて話すのは健康的なストレスの軽減方法です。

「楽しい」と感じることに取り組む

楽しいことをする時間を作ることはリラックスにつながります。以下のことを積極的に試すと良いでしょう。
・ガーデニングなどの趣味
・執筆、手芸、美術のような創作活動
・ペットと遊ぶ、世話をする
・ボランティア活動に参加する

おわりに:ストレスに対処して頭痛を防ごう

頭痛の原因であるストレス軽減には、心と身体両方をリラックスさせることが重要です。対人関係など、自身だけの行動では解決が難しいものもありますが、ツボ押しや薬で対処しつつ、生活習慣の改善やリラックスできる時間を持つようにしましょう。

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