手術する前に試しておきたい腰痛治療法

2017/7/13

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

腰痛の治療のために、手術を検討している人もいると思います。しかし、重度のヘルニアや脊柱狭窄症などがある場合は手術が必要なケースもありますが、保存療法で様子を見ることで改善していく腰痛も少なくありません。ここでは、かんたんに行える腰痛対策を紹介します。

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腰の痛みを防ぐためのヒント


正しい姿勢と動作を守っていれば、体の異常は起きにくくなります。日ごろの姿勢や体の動かし方に無理がないか見直してみましょう。

自分に合った椅子と机を使う

椅子は背もたれがしっかりしている物にしてください。机の高さも姿勢が変わらないものを使用しましょう。

よい姿勢をとる

座っているときも、立っているときも、前かがみにならないようにしてください。

重いものは慎重に持ち上げる

重いものの持ち運びはなるべくしないようにしましょう。腰だけでなく膝まで使って体全体で持ち上げるように意識し、移動は台車などを使用しましょう。

膝を曲げて、横向きに寝る

膝を曲げ横向きに寝ると、腰や背中の負担軽減が期待できます。うつ伏せの姿勢は背骨にストレスがかかるので、避けてください。仰向けで寝る場合は、背中や膝の下に枕を置きましょう。

自宅でできる腰痛のセルフケア


自宅でできる簡単な腰痛対策として、下記のものが挙げられます。

エクササイズ

ストレッチ、ウォーキング、水泳などの軽めのエクササイズで血行をよくし、筋肉をほぐしましょう。スポーツの「筋トレ」のように激しくしてはいけません。また、エクササイズは必ず医師やトレーナーの指示に従って行ってください。

温める・冷やす

慢性的な腰の痛みは、血行の不良や筋肉の硬直に起因することが多いです。お風呂で体を温めることで、血行促進や筋肉を緩める効果が期待できます。ただし、急性の腰痛のときはに温めずに冷やしてください。

市販薬

イブプロフェン、アスピリン、アセトアミノフェンなどの一般的な鎮痛剤は、軽度の痛みに効果的とされます。服用の際は必ず用法を守り、使用頻度が高い場合や長期間使用するような場合は、医師に相談しましょう。

マッサージ・鍼など


セルフケアで効果が現れず、痛みが数週間以上続くときは、医師に相談しましょう。より効き目の強い薬を用いたり、運動療法などが提案されるかもしれません。また、下記に挙げた代替療法で腰痛が改善するケースもあります。治療として取り入れるときは、事前に医師に確認するようにしてください。

マッサージ

患部や周辺部をもんだり圧迫して血液やリンパの循環の改善をうながし、新陳代謝を高め、筋肉や神経の機能を回復させます。

鍼灸

鍼灸治療は東洋医学に基づいた代替医療です。痛みの原因につながる経穴(ツボ)を刺激すると、痛みの伝達経路がブロックされると考えられています。また、鍼灸治療は血行促進や筋肉疲労の改善にも役立ちます。

電気刺激

電気で神経や筋肉などを刺激させ、血流を改善し、痛みを緩和を目指します。患部やその周りに微弱の電気パッド置いて低周波を通電する方法を経皮的電気神経刺激(TENS)といいます。

脊椎の徒手整復術(マニュピュレーション)

専門家が手や器具を使って背骨の関節を押すなどして、脊椎にかかる圧力の緩和を図る施術です。代表的なものにカイロプラクティックなどが挙げられます。医学的な実証がされた治療法ではありませんが、腰痛の緩和に効果がみられたという多くの報告があります。

おわりに:手術を受けるかどうかは慎重に判断しましょう

すべての腰痛に手術が必要なわけではないですし、手術をした人すべてが腰痛を改善できたわけでもありません。腰痛の原因によっては手術が必要なこともありますが、手術は少なからずリスクを伴うものです。手術を受ける前には可能な限り多くの情報を集め、本当に手術を受けるべきか慎重に判断しましょう。また、医師が提案した治療方法に納得できないという場合は、セカンドオピニオンを受けることをおすすめします。

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