アレルギーが喘息の原因になる!? 正しい薬の知識と対処法とは!?

2017/7/18 記事改定日: 2018/4/5
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

アレルギーが喘息発作の原因になるケースは少なくありません。
今回は喘息を引き起こすアレルギーの種類とアレルゲンを避ける方法をご紹介します。
少しでも喘息の症状を楽にしたい人や、いつまでも咳が治らず困っているという人は参考にしてください。

喘息の咳の原因がアレルギーって本当?

アレルギーとは、花粉、カビ、動物の毛、皮膚、唾液など、一般的に無害な物質にさらされることで起こる免疫系の反応のことです。免疫システムは身体の防御として働きますが、アレルギーのある人にとっては、「アレルゲン」と呼ばれる物質が、正常な身体機能に支障をきたします。アレルゲンは、アレルギー反応が起きる際の、免疫系が反応する引き金となるものです。

喘息を引き起こす原因には、以下で紹介しているアレルゲンの吸引によるものが多く、花粉症や季節性アレルギー性鼻炎は、アレルゲンや敏感になっている物質に接触したときに発症しやすいといわれています。

・動物のふけ、皮膚、唾液
・ダニ
・かび
・花粉

アレルギーと喘息を持っている人の中には、喘息症状を引き起こす可能性のある吸入アレルゲンを特定するよう、医師からすすめれることもあるでしょう。

食事のアレルギーが喘息の原因になることも!

食物アレルギーの症状には、蕁麻疹、発疹、吐き気、頭痛、嘔吐、下痢、くしゃみ、鼻水・鼻づまりなど様々なものがあります。特に危険性が高いものでは、喘鳴や喉の腫れによって気道が遮断されるアナフィラキシーもあるので注意が必要です。特定の食品が喘息の原因である可能性があると思われる場合は、医師に相談しましょう。アレルギー皮膚検査などでアレルギー反応を調べることができます。

市販薬で治せる?

気管支喘息は、空気の通り道である気道がむくんで狭くなる病気です。患者数が多いので一般的な病気と思われがちですが、重症な場合には死に至ることもあります。

喘息に必要な薬は病院を受診して医師から処方してもらうしか入手する方法はありません。中には、市販されている抗アレルギー薬が処方されることもありますが、これはあくまでアレルギー反応を抑えるための補助的な役割をするに過ぎません。
喘息を根本的に改善するための薬は市販されていませんので、市販薬では喘息を治すことはできません。喘息の持病がある人や咳症状が治まらない人は必ず病院にかかって適切な治療を受けてください。

喘息の薬には吸入ステロイドやβ刺激薬、LTRA、テオフィリン製剤などが用いられます。一種類だけを使用することもあれば、いくつかの薬を組み合わせて使用されることもあります。どのように使用するかは喘息の症状や重症度は人によって違ってくるので、医師の指示に従い使用する必要があります。

漢方薬について

漢方薬の中にも、喘息の症状を緩和するものがあります。
喘息には咳などの症状が出る発作期と症状がない寛解期があり、発作期にはエフェドリンが含まれ、咳止めや痰を出しやすくする作用を持つ麻杏甘石湯や五虎湯が用いられます。一方、寛解期には、のどの違和感や軽い咳を和らげる柴朴湯が用いられることが多いです。

しかし、漢方薬には喘息の症状を緩和する効果は期待できますが、気道のむくみを解消したり、気道を広げたりする効果が確実にあるとはいえません。漢方薬は薬局で購入することもできますが、あくまで補助的な薬という認識を持ち、病院での治療を最優先させましょう。
漢方薬を試してみたい人は、自己判断で使用せずに必ず医師と相談して許可をもらってからにしてください。

アレルゲンを避けるための対処法

アレルギーが原因の喘息発作を発症させないためには、アレルギーのある物質を避けることが重要です。ここでは、一般的なアレルゲンを避ける方法、喘息発作の症状を防ぐのに役立つヒントをご紹介します。

ハウスダスト

イエダニ

・枕、マットレス、ボックススプリングをアレルゲン防止のジッパー付きカバーで覆う
・すべての寝具は、一週間に一度お湯で洗う
・床にカーペットを敷かない
・シェードカーテン(日よけスクリーン)を使う
・ランプシェードや窓ガラスなど、ほこり溜まる場所を掃除する
・整理整頓をする
・ぬいぐるみは、洗濯可能なぬいぐるみにする
・衣類はすべて引き出しやクローゼットに入れて保管する
・寝具は、羽毛のものを避ける
・屋内湿度を低く抑える(50%以下)
・ヒーターやエアコンのフィルターを定期的に交換する

カビ

・湿度を35%から45%に保つために、除湿器を使う
・できるだけエアコンを使用する
・カビを除去する製品を使用し、定期的に掃除を行う。
・寝室に観葉植物を置かない
・塗装する際には、カビ防止剤を使用し、カビの発生を防ぐ
・庭にある濡れた葉や瓦礫、破片など屋外のカビの原因を避ける
・目に見えるカビを除去するため、カビ漂白剤を含む洗浄液を使用する

ペットのふけ

・自分や子供にペットアレルギーがある場合は、なるべくペットを飼わない
・ペットがいる友人や家族の家での長時間の滞在を避ける
・ペットのいる家に訪問するときは、必ず喘息薬やアレルギー薬を服用するようにする
・できるだけペットに近づかないようにする
・家にペットがすでにいたり、どうしても飼う必要がある場合は、居住エリアを制限する
・ペットを毎週洗ってあげる
・カーペットの枚数をできるだけ少なくする

花粉

花粉は大気から取り除くことができないので、避けるのが難しいです。植物は、受粉の時期が異なり、年ごとに変化が少ないです。花粉対策として、以下を参考にしましょう。

・早朝などの花粉が多い時間帯は、屋外にでるのを控える
・乾燥した日や風が強い日は、空気中の花粉が多いため、なるべく屋内にいるようにする
・花粉の季節中は、窓はなるべくあけない
・可能であればエアコンを使用する

食物アレルギー

食物アレルギーがある人が、食べ物のトリガーを避けるのは難しいことも多いです。食品を購入するときはラベルを常に確認するようにし、外食する際は自分のアレルギーを伝えるようにしましょう。

長期的に喘息薬を使用することも重要!

喘息のある人が全ての誘因を避けることはおそらく不可能でしょう。喘息発作を予防するためには、継続して喘息薬を服用・吸引し、喘息発作を管理していくことが重要です。喘息発作をコントロールするためにも、医師が指導のもと正しく服用を続けていきましょう。

また、アレルゲン注射を接種すると特定のアレルゲンへの過敏性を低くし、症状を和らげ、発作の回数を少なくする効果が期待できるといわれていますので、医師に相談して検討してみてもいいかもしれません。

おわりに:喘息治療薬を正しく使用しながら、アレルゲンを避けて発作をコントロールしよう

アレルギー反応が喘息の症状の原因になることがあるため、発作の原因となるアレルゲンを把握し、アレルゲンを避けるように工夫することは大切です。ただし、全てのアレルゲンを避けることは現実的ではないでしょう。医師の指導を守り喘息治療を続けながら、喘息発作のリスクを抑えて喘息発作をうまくコントロールするように努めましょう。

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