めまいの原因にはどんな種類があるの?

2017/8/10 記事改定日: 2019/2/1
記事改定回数:1回

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

めまいは原因はさまざまあり、症状の改善には原因をはっきりさせる必要があります。
ここでは、めまいが起こる原因について解説していきます。
めまいを改善するための基礎知識として役立ててください。

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めまいの原因や症状にはどんな種類がある?

どのようなめまいがするかは、人によって違いがあります。
たとえば、頭がクラクラしたりバランスを失ったりする人もいれば、周囲がぐるぐる回っているように感じる人もいます。
また、めまいは原因によって末梢性めまいと中枢性めまいに分けられます。

末梢性めまい

末梢性めまいは内耳のバランス機構に問題が原因で起こるめまいで、めまいの多くが末梢性めまいであるといわれています。末梢性めまいのなかでとくに多いものとして、以下のようなものがあります。

良性発作性頭位めまい(BPPV)

これはめまいの中でも特に多いとされるタイプのめまいです。立ち上がったり、かがんだり、道路を横切ったり、ベッドで寝返りを打ったりしているときなど、特定の頭の動きをすることで発症するといわれています。

また、良性発作性頭位めまいは、短くて強烈な再発性のある発作(通常、数秒~数分間続く)が含まれ、嘔吐はめったにありませんが、吐き気を伴うことが多いです。
また、無意識のうちに目が一時的に動くこともあります(眼振)。

そして、良性発作性頭位めまいは、内耳の管の内層に炭酸カルシウム結晶の小さなかけら(耳石)が生じることで発症すると考えられています。

頭を動かさなければ、かけらは管の底に沈んだままの状態です。しかし、特定の頭の動きをすると、かけらが液体で満たされた管の中を動くことになり、通常とは異なったリンパの流れを引き起こすことで脳に混乱のメッセージを伝達することでめまいを引き起こすという説が有力です。

なお、以下のような状況の後にも起こる場合があります。

  • 耳の感染症
  • 耳の手術
  • 長期にわたってベッドで静養していたとき

頭部外傷

めまいは頭部外傷を受けた後に発症することがあります。頭部外傷の後にめまいの症状がある場合は、すぐに医師の診察を受けてください。

内耳炎

耳の内側の奥深くの構造(内耳)に炎症を起こす内耳感染症です。内耳は聴覚とバランスをコントロールする、液体で満たされた管の迷路です。

内耳に炎症が起こると、内耳から脳に送信される情報は目から送られた情報と食い違ったものになります。これらの相反する信号が、めまいの原因となると考えられています。

内耳炎が原因で起こるめまいは、吐き気、嘔吐、難聴、耳鳴り、場合によっては発熱や耳の痛みを伴うことがあります。

前庭神経炎

前庭ニューロン炎としても知られている前庭神経炎は、内耳と脳をつなぐ神経の炎症が原因で起こる内耳疾患です。場合によっては、内耳そのものに炎症が起こることもあります。

この疾患は、ウイルス感染が原因で突然起きることが多く、不安定さ、吐き気、嘔吐などの症状を引き起こす可能性があります。ただし、聴力には問題が起こらないケースがほとんどです。

前庭神経炎は、数時間または数日間続き、完治には3~6週間かかります。

メニエール病

重度のめまいは、メニエール病は内耳に影響を及ぼす疾患であり、主症状としてめまいが表れます。また、メニエール病はめまいだけでなく、聴力損失、耳鳴り、および耳の閉塞感(耳に圧迫感がある状態)を引き起こす可能性もあります。
メニエール病を患っている場合、数時間または数日間のめまいの突発的な発作に見舞われ、めまいの発作はしばしば吐き気や嘔吐の原因となります。

メニエール病の原因ははっきりとはわかっていませんが、食事と薬物療法でコントロールできるとされ、まれに手術治療などが必要になるケースもあります。

薬の中には、副作用としてめまいが表れるものがあります。薬に添付されている文書(説明書など)を確認し、副作用としてめまいが挙げられていないかどうかを確認してください。

中枢性めまい

中枢性めまいは、たとえば小脳(脳の底にある運動や平衡を司る部分)や脳幹(脊髄につながっていて、脳の下のほうにある生命活動の中枢)など、脳の一部の問題によって起こります。
中枢性めまいを引き起こす病気には、以下のものがあります。

片頭痛
頭部の前側、もしくは片側に脈を打つような痛みを感じることが多い重度の頭痛で、特に若い人に多くみられる
多発性硬化症
中枢神経系(脳および脊髄)に影響を及ぼす疾患
聴神経腫瘍
内耳神経(聴覚とバランスをコントロールする神経)にできる、まれな良性の脳腫瘍
小脳に腫瘍ができる
一過性脳虚血発作(TIA)、脳卒中
脳への血液供給の一部が遮断される

めまいの原因が日常生活にあることも?

めまいは日常生活上の好ましくない習慣が原因で引き起こされることもあります。

特に、めまいの原因として多いのは自律神経バランスの乱れです。自律神経は立ち上がった時や長時間立っている時などに血圧や心拍数を調節して脳への十分な血流を維持する作用があります。
自律神経のバランスが乱れると、この調節が上手くいかず、立ったときなどに脳への血流量が低下してめまいを引き起こすことがあるのです。
自律神経の乱れは、過度なストレスや疲れ、睡眠不足などが原因になることがありますので注意しましょう。

また、アルコールの飲みすぎによる慢性的な脱水や、喫煙による血管収縮が原因の耳や脳への血流低下などがめまいを引き起こすことも少なくありません。
めまいを起こしやすい人で生活習慣で思い当たる原因がある場合には、まず生活習慣を改善してみてください。

おわりに:めまいを治すには原因の特定が必要。まずは調べてみよう

体の不調や病気、体の動かし方、さらにはウィルスや薬の副作用に至るまで、めまいの原因にはさまざまなものがあります。
めまいを解消するには原因の特定が必要です。自分で原因を見つけることは難しく、深刻な病気が原因のときは治療のタイミングが遅くなってしまう恐れもあります。
めまいが頻繁に起こる、長く続くときはすぐに病院を受診し、原因を調べてもらいましょう。

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