喘息の原因と危険因子を知り喘息症状を予防しよう

2017/7/21

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

喘息症状の原因はその人ごとに違っています。喘息の原因や誘因を特定し、それに曝されないようにすることができれば、喘息の自己管理が可能になり、喘息発作の頻度を少なくすることができるでしょう。今回は、喘息の原因、誘因について解説します。

喘息の原因とは

気管支喘息(以下、喘息)の原因もしくは特定の誘因を知り、その誘因を避ける方法を考え、より良い喘息の自己管理を行いましょう。以下に一般的な喘息の誘因を示します。

アレルギーによって起きる喘息

アレルギー性喘息は、よくある問題です。喘息の人の80%にアレルギーがあります。木、草、花の花粉、カビ、動物のフケ、ダニ、ゴキブリの糞などの空気中の物質に対するアレルギーです。ゴキブリの糞が多い家に住んでいる子供は、ゴキブリの糞が少ない家に住んでいる子供に比べて4倍小児喘息に罹る割合が多いといわれています。埃に曝された後に喘息が悪化することは、通常はダニアレルギーによることが多いです。

運動誘発性喘息

喘息がある人の約80%は、激しい運動をすると気道が狭くなります。人によっては、喘息の症状の主な誘因が運動という人もいます。運動誘発性喘息がある場合、胸が締め付けられる感じがしたり、咳がでたり、有酸素運動の最初の5~15分の間、呼吸がしずらくなります。このような症状は、30~60分の間に治まりますが、運動誘発性喘息を持つ人の50%は、次の発作が6~10時間後に起こることがあります。激しい運動の前にウォームアップをゆっくり適切に行うことが重要です。それにより、発作を予防できる可能性が高まります。

喫煙と喘息

タバコを吸う人は喘息になる可能性が高くなるといわれています。喘息なのに喫煙する習慣がある人は、咳や喘鳴などの症状が悪化し、妊娠中に喫煙をする女性は赤ちゃんが喘息となるリスクが増加します。妊娠中に母親が喫煙をしていた赤ちゃんは、喫煙していない母親から生まれた赤ちゃんと比べ、肺機能が悪化していることがあります。喘息を持つ人で喫煙習慣がある場合は、自分の肺を守るために禁煙するようにしましょう。

感染症と喘息

風邪、インフルエンザ、鼻炎は喘息発作の原因となることがあります。喘息の誘因となるこうした呼吸器感染は、ウイルス性もしくは細菌性であることが多く、特に10歳以下の喘息の原因として多いです。また。、このような感染症の後は気道の過敏性が上昇しているため、1-2ヶ月程度咳が続くこともあります。

その他の喘息の誘因

その他の喘息の誘因は以下のとおりです。

刺激物

タバコの煙、香水の強い匂い、洗浄剤など、多くの刺激物は全て喘息の原因となることがあります。加えて、大気汚染、職場の埃、ガスなども発作の誘因となることがあります。

気候

冷たい空気、温度の変化、湿度は喘息の誘因となることがあります。

強い感情

ストレスと喘息は一緒に見られることがあるものです。不安感、号泣、怒鳴り、ストレス、怒り、笑いすぎることが喘息発作の誘因となることがあります。

喘息発症のリスクのある人

喘息発症のリスクのある人は以下のとおりです。

性別と喘息

小児喘息は、女の子に比べて男の子のほうが多いといわれていますが、なぜそうなるのかについてはわかっていません。一部の専門家によると、男の子の気道は女の子の気道と比べて狭いことが多く、このことが風邪やウイルス感染後に喘鳴のリスクを高めることの原因になっているのではないかと考えています。20歳頃になると、喘息の男女の割合はほぼ同じです。40歳になると、成人喘息の割合は男性よりも女性のほうが多くなります。

喘息の家族歴

喘息にかかりやすいかについては、遺伝も関係しているといわれています。実際、喘息の5分の3は遺伝と考えられています。

肥満と喘息の関連性

ある研究では、太りすぎの成人や子供に喘息が多いという結果が出ています。また、肥満の喘息患者は、喘息を管理することが難しく、喘息の治療にも時間がかかる傾向があるようです。

妊娠と喘息

妊娠中に妊婦が喫煙することは、喫煙しない妊婦と比べて、胎児の肺機能の低下が起こる可能性が高くなるといわれています。また、未熟児出産は喘息を発症する危険因子の一つです。

喘息とアトピー

アトピーは遺伝的傾向により、湿疹(アトピー性皮膚炎)、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、喘息になることがあります。アトピーは特に食べ物や空気中にある一般的なアレルゲンへの感受性を高めるとされ、湿疹やアトピー性皮膚炎のある子供は喘息にもなることがあります。アトピー性皮膚炎のある子供は、成人になったときに重度の喘息や持続性の喘息になる可能性があることを示している研究報告もあります。

喘息症状の原因が多い場合

病歴や検査を通じて喘息の可能性がどれくらいあるか、そして原因は何かについて特定を行います。医師は最大呼気流量計(ピークフローメーター)と呼ばれる機器を使って検査を行うかもしれません。最大呼気流量計は肺にどれだけの量と早さで空気を吸い込むことができ、吐き出すことができるのかを測定します。最大呼気流量計は、喘息症状が増悪しているときに早期に発見をすることにも役立ちます。

おわりに:喘息の危険因子を避ける

喘息の人は、発症しやすくなる理由や危険因子があることがほとんどです。危険因子がないところでは喘息は起こりにくいため、喘息の個人的な危険因子を特定した後は、それを管理する方法を見つけ、またライフスタイルの変化を行ってみましょう。危険因子を避けることは、喘息を予防することに非常に重要です。危険因子を管理することによって、喘息を自己管理しましょう

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