記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/10
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「めまいで病院なんて大げさ」と軽く考えがちですが、めまいの治療には医師の診断が必要になります。では、めまいで病院を受診するときはどの診療科に行けばいいのでしょうか?この記事では、めまい治療のときに選ぶべき病院についてご紹介します。
めまいという名前には実際には色々な症状が含まれると思います。人によっては視界がくるくる回転するように回ることをめまいと言ったり、歩いていると体がふわふわ浮いているような感覚になることをめまいと言ったりします。その原因としては耳に問題があったり、脳の中に問題があったり、または貧血など体全体の病気があったりします。
このようにめまいは多彩な病気を含みますが、通常はまずは内科や耳鼻咽喉科を受診してみましょう。どの科を受診すればいいかわからない場合はかかりつけ医に相談してもかまいません。問診や検査の結果、めまいに伴う耳鳴りや難聴があるとみられる場合は耳鼻咽喉科が紹介されるでしょうし、身体に異常がみられないと判断された場合は、ストレスや精神的な問題からくるめまいの可能性があるため、精神科や心療内科を紹介されることもあるでしょう。また、脳腫瘍などの重篤な病気からめまいが起こっている場合もあります。自分判断は危険なので、早めに医療機関にみてもらうようにしましょう。
【出典: 厚生労働省ホームページを編集して作成 http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/symptom1_3.html】
めまいの原因は様々であり、適切な治療のためには精密な検査を行い原因を特定することが大切です。ここでは耳が原因のめまいを診断するための検査について紹介します。
オージオメーターという機械を使って出される様々な音量とピッチの音によって聴力を調べます。ヘッドフォンを使ってその音を聞き、音が聞こえたらそれを手をあげて知らせたり、機械のボタンを押して知らせます。
検査師が音叉を叩いて、患者の頭の横に持ちます。これによって聴こえ方に偏りがないかどうかを調べることができます。
ビデオ眼振スコープ装置(VNG)による眼振検査は、めまいや平衡感覚の不具合がどこから起こっているのかを確認するための検査のひとつです。検査中は特別なゴーグルで眼を覆われた状態になり、様々な静止・動画を見るように指示されます。眼の動きを記録するためのビデオカメラがゴーグルには取り付けてあるので、眼振の兆候を詳しく確認することが可能です。また、ビデオ眼振スコープの代わりに眼の周りに電極を取り付ける電気眼振記録という検査方法が行われる場合もあります。
温度刺激検査は温水・冷水・空気を耳に30秒ほど当て、温度の変化を利用して耳の中の平衡感覚を司る器官を刺激し、どれぐらいその器官が動いているのかを確認する検査です。この検査には痛みがありませんが、検査中にめまいを感じます(この反応は正常です)。このめまいは検査が終わったあと数分間続くことがあります。
重心動揺検査は重心動揺計と呼ばれる平衡を検査するための機械を使って行われ、リハビリ計画の作成や治療経過の監視に役立つ検査です。自分の視力や固有受容覚(足や関節を動かすことからの感覚)、平衡感覚を保つために送られてくる耳からの信号など、平衡機能に関する重要な情報を得られます。
症状によっては頭部のスキャンを行い、めまいの原因を探す場合もあります。検査の際は、磁気共鳴映像法(MRI)もしくはコンピューター断層撮影(CT)を使用することが多いです。
どの疾患のために使うかによりますが、薬は通常3~14日間分処方されます。処方されることの多い薬は「プロクロルペラジン」などの嘔気止めと「抗ヒスタミン薬」 の2種類が多いですが医師によって多岐に渡ります。これらは、前庭神経炎もしくはメニエール病などに起因するめまいや、原因のわからないめまいの治療に使われることがあります。
まずは内科や循環器内科、耳鼻咽喉科などの身体科を受診し、より精密な検査が必要な場合には医師から行くべき病院について指示を仰ぐと良いでしょう。めまいの原因となりうる疾患は多岐に渡り、場合によっては早期の治療が必要なことがあります。めまいが改善しないようであれば早めに医療機関を受診されることをお勧めします。