記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/20 記事改定日: 2019/4/19
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
あなたがストレスを感じていると思うのならば、一度自分自身を見つめなおしたほうがいいかもしれません。
この記事では、ストレスの健康へ及ぼす影響とメカニズムについてまとめています。
誰もが、ストレスを感じることがあります。ストレスは悪いことばかりではなく、ストレスがあるからこそ、スポーツや重要なプロジェクトに果敢に挑戦できるという側面もあります。
また、危険な状況という「ストレス」に直面することで、必要なエネルギーを急速得ることができます。ストレス下におかれることでホルモンなどの化学物質が放出され、呼吸や鼓動は早くなり、血糖が上昇してエネルギーが充足し、脳は、より多くの酸素を使うようになるなど、行動のための準備が行われます。
しかし、ストレスが長続きすると、 この変化は、有益ではなく有害に変わります。
ストレスは体の各部の炎症を促進し、多くの加齢に伴って起こる病気に関係すると考えられています。そしてこれらの炎症は心臓血管疾患、糖尿病、関節炎、その他様々な身体機能低下に関連していきます。
そして、ストレスが体の免疫系に影響を与え、ワクチンに対する反応が弱くなり、傷の治癒を阻害することがある研究でわかりました。また、ある研究では、慢性的なストレスは消化器障害、泌尿器系疾患、頭痛、睡眠困難、うつ病、不安神経症と関連があるとしています。
がんなどの病気の身体的、感情的、社会的影響は、患者、介護者、そして長期のがん生存者にとって、ストレスになっていることがわかっていますが、ストレスががんを引き起こすことや、がんの診断後の生存率について明確な証拠はありません。
ストレッサーとは、外部から心身にかかる刺激のことで、そのストレッサーに心身が反応することで引き起こされる様々な現象をストレスと呼びます。
ストレッサーには、気候や騒音などの物理的ストレッサー、薬物や大気汚染などの化学的ストレッサー、人間関係や仕事上の悩みなどの心理・社会的ストレッサーがあります。
現代社会は心理・社会的ストレッサーが問題になることが多く、代表的なものでは学校や職場での人間関係の悪化、学業や仕事のプレッシャー、経済的な不安感などが挙げられます。
同じストレッサーに遭遇してもストレス反応が起こらない人と強いストレス反応を生じる人がいます。これは、ストレッサーに対する耐性の個人差によるものと考えられます。
たとえるならば、ストレスは風船であり、ストレッサーはその風船を押し付ける外力とします。同じストレッサーが働いても風船が強く大きい人はストレス反応が生じませんが、風船が脆く小さい人はストレッサーによって強い影響が生じます。
このように、ストレスの感じ方やそれに伴う心身の不調の有無などは人によって大きく異なるのです。
過度なストレスや長く続くストレスは、大小の違いはあっても健康へ悪影響を及ぼします。しかし、人生にストレスはつき物であり、完全に避けることは不可能です。上手にストレスを対処する対処法を見つけ、その影響を少しでも少なくしましょう。