エナジードリンクとカフェイン、健康上の問題

2017/3/15

佐藤 典宏 先生

記事監修医師

産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

エナジードリンクは、高レベルのカフェインや砂糖を含んでいます。興奮性の物質やビタミンやミネラルも薬草由来の物質を含むことがあります。
エナジードリンク自体は有害ではありませんが、カフェインと併用すると健康上の問題を起こすことがあるので注意が必要です。

どのくらいカフェインが含まれているのですか?

カフェイン濃度はさまざまですが、小さな250mL缶では約80mgのカフェイン(2本分のコーラ、カップ1杯分のコーヒーと同じ分量)が含まれていることがあります。カップ1杯分のインスタントコーヒーには約100mgのカフェインが含まれています。特に妊娠中の女性では、1日に摂取するカフェイン量を200mg以下にすべきです。カフェインを摂り過ぎると流産や低出生体重児として生まれる可能性があります。子どもはカフェインに対してより敏感であり、発育や成長に影響を与えます。
エナジードリンクの栄養成分表示をよく確かめることが重要です。

各飲料のカフェイン量

ソフトドリンクでは約30mg、コーヒー1杯約100mg のカフェインが含まれていますが、エナジードリンクでは1本につき100〜250mgのカフェインが含まれていることがあります。

エナジードリンクにはどのような成分が含まれていますか?

ほとんどのエナジードリンクにはカフェインのほかに、以下のような多くの覚醒剤成分が含まれています。
・グアラナ
・タウリン
・高麗人参
・シネフリン
・L-カルニチンL-タータレート (LCLT)
・イェルバメイト
・銀杏
・セントジョーンズワート

エナジードリンクによって起こる症状

エナジードリンクによって起こる症状には、以下のようなものがあります。
・頭痛
・腹痛
・下痢
・胸の痛み
・不安や緊張感
・めまい
・集中力の欠如
・不眠
また、以下のような重度の疾患が起こることがあり、まれに死に至ることもあります。
・中毒と禁断症状
・高血圧
・心臓発作(急速な心拍数増加、不整脈、心不全など)
これらの症状がみられたときは、早急に受診して医師に相談してください。子どもや、心臓病や喘息(ぜんそく)の既往がある人ではより大きな危険性があります。

おわりに:エナジードリンク子どもに与えるものではない

エナジードリンクの登場は、ストレスの多い現代社会ならではの現象かもしれません。

エナジードリンクで覚醒してもその効果は一時的です。

砂糖と高カロリーは、むし歯や体重増加や糖尿病などの疾患につながります。すべての人が、エナジードリンクの危険性を知り、子どもに与える飲料ではないことをもっと知るべきです。

エナジードリンクに頼らずとも、適切な睡眠、適度な運動、バランスのとれた食事、そして太陽と自然のエネルギーで十分な活力を得ることができることに気づいてほしいと思います。

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