記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/7/26 記事改定日: 2019/7/25
記事改定回数:2回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
熱中症には、倒れてしまったり高熱が出るといったはっきりとした症状以外にも、見逃してはいけない症状やサインがあります。
この記事では、熱中症の症状や症状にあわせた応急処置を紹介していきます。
どんな人にも熱中症のリスクはあるので、この機会にきちんと理解しておきましょう。
熱中症は医学的緊急事態です。熱中症は、高温に長い時間晒されたために体温制御システムが働かなくなることと、脱水症状とが重なって起こります。
小さな子供や高齢者に起こりやすいですが、太陽の下で長時間の練習を行なっている健康で若いアスリートたちにもリスクがあります。
熱中症はどんな人にも起こる可能性があることを覚えておきましょう。
熱中症を定義するわかりやすい症状や兆候として、40度以上の高熱が出る、卒倒するなどがありますが、以下のような症状が出ることもあります。
熱中症の重症度はⅠ~Ⅲ度までに分類されていて、症状や応急処置の方法が違ってきます。
熱中症の初期段階です。
多量の発汗で脱水状態になり水分や電解質が失われることで、めまいや立ちくらみ、動悸、足のツリや筋肉痛などの症状が現れるようになります。強い喉の乾きを訴えることが多くなりますが、意識や行動に変化は見られません。
この段階でするべき対処としては、
ことです。
可能ならわきの下やふとももの付け根を冷やしてください。
Ⅰ度のうちに上記の対処ができれば、状態も順調に回復してます。
状態が良くならないときや悪化しているときはすぐに病院を受診しましょう。
Ⅰ度の段階で適切な対処ができなかった場合、Ⅱ度の段階まで状態が悪化します。
水分を保つ能力が低い高齢者や小児などでは、急激にⅡ度にまで進むことがあるので注意が必要です。
この段階になると、
などの症状が引き起こされ、注意力・集中力の欠落などの軽い精神症状が見られることも多く、強い倦怠感を感じたり、ぐったりして力が入らなって座り込んだり、倒れこんだりすることもあります。
すぐに
といった応急処置をしましょう。
Ⅱ度まで進んだ場合は症状が落ち着いた場合でも、必ず病院で治療を受けるようにしてください。判断が難しい場合は先に救急車を呼んでもかまいません。
ただし、自分で水分が摂れないときや嘔吐しているときは、無理に水分を補給させようとせず、すぐに救急車を呼び応急処置を始めましょう。
倒れてしまった、意識がはっきりしない、呼びかけにこたえない、言動がおかしいというときも、救急車を呼ぶのを優先し、救急車が来るまで上記の応急処置を続けましょう。
非常に重症で危険な状態です。
適切な対処が遅れると後遺症が残ったり死に至ることもあります。
この段階まで進むと、Ⅱ度の症状に加えて
などの症状が現れるようになります。
すぐに救急車を呼び、救急車が来るまでわきの下やふとももの付け根などを冷やして体温を下げる応急処置をしましょう。
熱中症は誰にでも起こる可能性がある緊急状態です。高温の場所に一緒にいる場合には、体の変化に常に気を配りましょう。小さな子供やお年寄りにはとくに注意し、気になるサインを見つけたときは、すぐに適切な対処を始めましょう。
これは自分自身にも当てはまります。危ない症状やサインがあるときはすぐに対処し、熱中症を防ぐためにもこまめに水分や電解質を補給することを心がけてください。