記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/7
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
夜なかなか眠れず、眠ろうとすると余計に目がさえてしまう……、そんな不眠症。日中の活動にも悪影響があります。この記事では、不眠症について、睡眠導入剤などの治療薬を中心に、2回に分けてまとめています。
一過性の不眠症は、睡眠スケジュールの一時的な乱れが原因であれば、自分で解決することもできます。
しかし、不眠症が特にストレスの多い状況や身体的な痛みによって引き起こされている場合、または不眠が生活の質に深刻な影響を及ぼしている場合、定められた短い期間だけ睡眠薬を処方することがあります。
睡眠薬を服用している人は、薬剤の有効性や副作用を評価するために、注意深く薬の量を管理する必要があります。薬の用量は、症状を緩和に必要とされる最低限の量を服用するようにしてください。
睡眠薬(睡眠導入剤・眠剤)は、不眠症の特定の症状において、適切で最も迅速な治療法であると判断された場合に処方されます。
ただし、睡眠薬はあくまで一時的な解決策として考えるべきです。継続して服用し続けると、数週間後には耐性ができて効き目がなくなり、一部の人には服用する量が増える可能性があります。
また、睡眠薬には依存性や中毒性があります。また、筋弛緩効果を伴う薬剤もあり、トイレのために夜間に起きるとき(特に高齢者の場合は)、転倒し、怪我をする危険性もあります。
市販の薬には、不眠症を悪化させるものがあります。寝付きはよくなるかもしれませんが、睡眠の質は悪いことが多いです。
長期間の使用は、不眠症を悪化させ、治療をより困難にすることがあります。服用する場合は、かかりつけの医師に相談してからにしましょう。
睡眠導入剤とアルコールを組み合わせることは絶対に避けてください。
不眠症は、しばしば、別の疾患または心理的問題によって引き起こされることがあります。このような場合、不眠症を治療するためには、その根底にある問題になる疾患などを治療することが重要です。
臨床心理士、心療内科医、精神科医などは、心理的な問題が不眠症を引き起こしているかどうかを判断することができます。病院で医師の診察を受けることによって、不眠症の原因が他の健康問題であるかどうかを判断できます。
最近の研究で、不眠症の原因が内面にある場合、認知行動療法が、不眠症の薬の服用と同じかそれ以上の効果があることが報告されています。
認知行動療法は、心の問題を患者と周囲の環境の相互作用としてとらえます。悩みを解決するために、患者の現在の心に焦点を当て、考え方や環境を変えるようにサポートしていきます。
認知行動療法では、患者は睡眠習慣を改善するための方法と、睡眠の妨げになる考え方について、指導を受けます。このような治療を成功させるためには、2〜3か月以上にわたって、毎週セラピスト(臨床心理士、心療内科医など)による診察を必要とすることがあります。
今まで見てきたように、不眠症の治療薬にはいろいろあり、副作用もあります。医師は相談することで、患者の状態に最適な治療薬を処方してもらえます。睡眠薬を自己判断で服用することは絶対に避け、医師とよく相談しながら、自分に合った薬を服用するようにしましょう。
次の記事では、不眠症の薬について具体的に解説します。
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不眠症の薬にはどんなものがある?