糖尿病管理に欠かせない血糖値計測と血糖値を上げない軽食について

2017/7/25

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

血糖値とは血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のことです。糖尿病の場合は腎臓病や失明などの深刻な合併症状になるリスクを低くするために、血糖値を把握して病状を管理する必要があります。この記事で正しい測定法を見ていきましょう。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

正しい血糖値の測り方

血糖値の計測には“血糖値計”を使います。この器具は指から血液を一滴採取する(血液が不要なものもある)ことによって血糖値を計るもので、薬局で手に入れることが可能です。使用前には付属の説明を読み、血糖値の計り方を理解してください。わからない場合はかかりつけの医師に使い方を確認しましょう。また計測後は、計った日付・時間・結果を記録してください。

目標血糖値

糖尿病の人の目標血糖値は時間によって異なります。
・食事の直前、直後は“80~130mg”
・食事を始めてから2時間後は“180mg以下”

大まかに言って上記ですが、どのくらいの血糖値が自分に適しているかについては、担当医に確認しましょう。

血糖値チェックの頻度

一般的に、血糖値を計る時間は、目が覚めた時(何も食べていない状態)、食事の前、食事の2時間後、就寝時です。ただし、血糖値を計る頻度は糖尿病の種類とその糖尿病を治療するために服用している薬の種類によって異なります。たとえばインスリンを投与している人は投与していない人よりも頻繁に血糖値を計る必要があります。血糖値を計る適切な時間や頻度については、担当医ときちんと話し合って決めましょう。

また、目標値に到達しないことは責められるようなことではなく、何か改善すべきことがあるというサインにすぎません。血糖値が高すぎるあるいは低すぎることが度々ある場合は、担当医に相談しましょう。

糖尿病治療の味方:血糖値を上げにくい軽食とは

ここでは血糖値があがりにくい軽食をご紹介します。

ナッツ

ほんの一握り(約45g)のナッツを食べることで、炭水化物の量を低くしたままたくさんの栄養を摂ることができます。アーモンド、ヘーゼルナッツ、クルミ、マカダミアナッツ、カシューナッツ、ピスタチオ、ピーナッツなど、健康に良い脂肪が含まれた高繊維のスナックを食べましょう。ただし、塩分を控えることだけは忘れないでください

チーズ

カッテージチーズ、リコッタチーズ、モッツァレラチーズなどの低脂肪・高タンパク質のチーズは、血糖値を抑えるために役立ちます。カッテージチーズや裂けるタイプの低脂肪のチーズを1つ食べたり、リコッタチーズのスプレッドを全粒粉のクラッカーに塗って食べたりするのも良いでしょう。

スクランブルエッグは素早くタンパク質を摂るために適した食事です。あるいは、ゆで卵をいくつか作って冷蔵庫で保管し、外出した際の軽食にしましょう。

ヨーグルト

生のフルーツと低脂肪のプレーンヨーグルトを混ぜれば、炭水化物の少ないおやつを作ることができます。

アボカド

アボガドはそのままでも美味しいですが、手を加えることでさらに美味しく食べることができます。3つのアボカドをつぶし、チリソース、コリアンダーの葉、そしてライム果汁を少々加えればワカモーレの出来上がりです。炭水化物の摂取を控えるため、1人分の量は少し抑えるようにしましょう

おわりに:糖尿病の治療には血糖値管理が欠かせません

病状を悪化させないためにも、より深刻な合併症状を引き起こさないためにも、血糖値の管理を徹底することが重要です。そのためにも測定を正しく行ない、自分の血糖値をきちんと把握してください。血糖値が目標と大きく異なることが頻繁にある場合は担当医に連絡しましょう。

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