もっと油が豊富な魚を食べよう―オメガ3脂肪酸とその効果

2017/3/9

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

健康的な食生活のためには、少なくとも週に2回は魚(うち1回は油が豊富な魚[油性魚])を食べる必要があります。魚介類は多くのビタミンやミネラルの良い供給源だからです。

また、サーモンや加工されていないマグロといった油性魚は長鎖オメガ3脂肪酸が特に多く、心臓を健康に保つのに役立ちます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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魚の種類

魚の種類によって含まれる栄養素が異なります。以下を参照してください。

油性魚

油が多い魚の性質は、以下の2点です。

・長鎖オメガ3脂肪酸値が高く、心臓病の予防に役立つ
・ビタミンDが豊富

油性魚には、アンチョビ、ニシン、アジ、サバ、サーモン、イワシ、マス、マグロ(加工されていないもの)、シラスなどがあります。

缶詰のイワシやサケ(加工されていないサケではない)など、骨まで食べられる油性魚もあります。これらはカルシウムとリンが豊富なので、骨を強く保つのに役立ちます。ただ、缶詰のマグロは油性魚に含まれません。缶詰になると、長鎖オメガ3脂肪酸の量が他の白身魚と同じくらいにまで減少するためです。

白身魚

白身魚の性質は、以下の2点です。

・脂肪が少ないので、脂肪、特に飽和脂肪の多い赤身肉や加工肉の代わりになる
・長鎖オメガ3脂肪酸が含まれているが、油性魚よりははるかに低い

なお、タラ、カレイ、ヒラメ、キスはいずれも白身魚です。

貝類

貝類の性質として、以下の2点があります。

・低脂肪
・セレン、亜鉛、ヨウ素、銅が豊富

貝類には、エビ、ムール貝、ホタテ、イカなどがあります。ムール貝、カキ、イカ、カニなど、一部の貝類には長鎖オメガ3脂肪酸が含まれていますが、油性魚ほど豊富には含まれていません。

油性魚はどのくらい食べるべきか

1週間につき、少なくとも1回は油性魚(調理後の重さは約140グラム)を食べるべきです。ただし、油性魚には体内に蓄積する可能性のある汚染物質がわずかに含まれていることがあるため、1週間あたりの摂取推奨量には上限があります。この上限量は人によって異なります。

一般の方

週に4回以上油性魚を食べないように気をつけてください。

妊娠の可能性がある方、妊娠中もしくは授乳中の方

週に2回以上油性魚を食べるべきではありません。油性魚に含まれる汚染物質が、赤ちゃんの発達に影響を及ぼす可能性があります。

また、子や妊娠の可能性がある方、あるいは妊娠中の女性はメカジキを食べないようにしてください。ほかの魚よりも水銀が多く含まれているためです。それ以外の方も、メカジキは週に1回以下に抑えてください。

6カ月以上の子どもや赤ちゃん

男の子は週4回油性魚を食べても大丈夫ですが、女の子には1週間に2回以上食べさせることはお勧めしません。これは、油性魚にわずかながら含まれる汚染物質が体内に蓄積し、将来妊娠したときに胎児に影響を及ぼすことがあるためです。

長鎖オメガ3脂肪酸の効果

油性魚には、長鎖オメガ3脂肪酸と呼ばれる特別な種類の脂肪が含まれています。 長鎖オメガ3脂肪酸は、心臓病の予防に役立ちます。また、赤ちゃんの神経系の発達を助ける性質もあるので、妊娠中または授乳中の女性にとっても重要です。

おわりに

油性魚を含め、魚の摂取量が少ない人は多いです。妊娠している女性や授乳中の女性、乳幼児や子どもは摂取量に上限があるので気をつけてください。また、油性魚を食べるときは、揚げるよりも蒸したり焼いたりするのがおすすめです。健康的な調理法でおいしく魚を食べ、健康になりましょう。

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