糖尿病の改善対策 ― おすすめの食事・運動・サプリメントはある?

2017/7/25 記事改定日: 2018/3/15
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

糖尿病の改善には、自分自身の糖尿病の状態をしっかりと把握し、治療と同時に生活習慣を変えることが大切です。ここでは、糖尿病改善に向けたおすすめ対策をご紹介します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

血糖値の改善のためにやるべきこととは?

糖尿病は決して怖い病気ではありません。糖尿病と診断されたからといって全ての人に重篤な合併症が生じるのではなく、しっかりと血糖コントロールを行えば悪化を防ぐことができます。糖尿病対策で重要な身体所見は、血糖の状態を示すHbA1c、血圧(Bloodpressure)、コレステロール(Cholesterol)それぞれの値です。これらの頭文字をとってABCいいますが、このABCをしっかりと管理することで糖尿病が引き起こす恐ろしい合併症を予防することが期待できます。
では、ABCの管理に必要な対策にはどのようなものがあるのでしょうか。詳しく見てみましょう。

食事

糖尿病患者に適した食事を心がけましょう。具体的には炭水化物や糖分、塩分が少なめな食事ですが、管理栄養士などの専門家の指導を受けることをおすすめします。
次のことに注意して食事のメニューを考えてみましょう。

・果物、野菜、魚、脂肪分の少ない肉、鶏肉や七面鳥で皮のないもの、乾燥エンドウ豆や豆、全粒穀物、低脂肪牛乳、チーズなどを多めに取り入れましょう。
・魚と脂肪分の少ない肉と鶏肉を焼くと、脂分をさらに除くことができます。

運動

・毎日、30分から1時間程度の運動を心がけましょう。糖尿病改善に効果があるのは有酸素運動ですが、軽いウォーキングはとくにおすすめです。

生活習慣改善

・ストレスは血糖値を上げることが知られています。ストレスを完全になくすことは難しいでしょうが、自分に合った解消法を見つけてうまく付き合っていくことを心がけましょう。

・喫煙は糖尿病を悪化させるだけでなく、動脈硬化を進行させ、糖尿病による合併症の発症リスクを高めます。がんや肺の病気にもなりやすいですから、ぜひ禁煙にトライして下さい。

・歯周病は糖尿病を悪化させることが知られています。毎日きちんと歯を磨いて口腔内を清潔に保ちましょう。

・血糖値をしっかり計りましょう。

・医師の指示があれば血圧を調べましょう。

・視野の異常や飛蚊症などの目の異常を感じたら眼科専門医に相談しましょう。

糖尿病のA、B、Cを理解し、きちんと血糖値を管理しよう!

Aは血糖(A1C=HbA1c)テストのこと

HbA1Cテストは、血糖値が過去3ヶ月の間にどのように推移したかを表します。HbA1Cの目標価は7%以下です。

Bは血圧(Blood Pressure)のこと

高血圧は高血糖と同様に血管を傷つけ、動脈硬化を進行させます。その結果、心臓発作、脳卒中、そして腎臓病を引き起こす場合があります。血圧の一般的な目標数値は、140/90mmHg以下ですが、目標数値は人によって違うので、自分の目標値を必ず確認しておきましょう。

Cはコレステロール(Cholesterol)のこと

「悪玉」コレステロールは血管内にこびりつき、血管を詰まらせることで心臓発作や脳卒中の原因を引き起こします。また、「善玉」コレステロールは、血管から悪玉コレステロールを除去するの作用を持ちます。コレステロール値の目標値についても、必ず確認しておきましょう。

自分の体の状態を知るためにも、主治医と以下のことについて話し合うようにしてください。

・HbA1C、血圧、コレステロールのコントロールについて
・ABCのそれぞれの目標値
・目標に到達するためにすべき対策

糖尿病改善や予防に役立つ簡単筋トレやストレッチ

糖尿病改善には適度な運動が大切です。体内の血糖をエネルギー源として多く取り込むのは筋肉です。運動不足によって筋肉が衰えると、その分だけエネルギーが不要になり、結果として取り込まれる血糖が減少して高血糖状態となります。この状態を防ぐためにも、筋肉量を増やすめの筋トレやストレッチは糖尿病改善に効果的であるといえます。

糖尿病改善や予防に役立つサプリメントはある?

糖尿病には、発症予防や症状改善に役立つサプリメントがあります。特に血糖を抑える働きがあるおすすめのサプリメントは食物繊維を含んだものです。また、デオキシノジリマイシンやギムネマなどのサプリメントは、糖尿病の症状改善効果があるといわれています。

糖尿病に効果的なサプリメントはたくさんありますが、一方で糖尿病の人が摂らない方がよいサプリメントもあります。糖分が多く含まれているサプリメントは当然避けた方がよいですし、セレンと呼ばれる抗老化作用のあるサプリメントは糖尿病の発症リスクを高めることが報告されています。
糖尿病治療中は、どのようなサプリメントを試す場合でも必ず医師に相談してから行いましょう。また、糖尿病に効くサプリメントを服用しているからと言って糖尿病治療を中断していいわけではありません。サプリメントはあくまで、治療の補助をするに過ぎないことを覚えておきましょう。

ヘルスケアチームの協力も不可欠

・血糖値の目標数値についてヘルスケアチームと話をしましょう。ヘルスケアチームとは、主治医だけでなく、看護師や管理栄養士を含んだチームのことです。
血糖値の結果を糖尿病管理にどう役立てるかについて相談してください。

・受診の際にはどのように治療を行っていくのかを議論しましょう。

ヘルスケアチームに「HbA1C(血糖)」「血圧」「コレステロール」を管理する方法について、あなたに最も適した方法を一緒に模索するのです

おわりに:チームや医師と相談しながら、食事と運動面から対策しよう!

糖尿病は長く向き合っていかなければいけない病気です。ある程度制限しなけなければいけないことがあるのは割り切るしかありません。恐ろしい合併症を引き起こさないためにも、チームに相談しながらきちんと対策を続けていくようにしましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

糖尿病(273) 改善(33) 糖尿病ケアチーム(2)