記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/25
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「どれだけ疲れていても眠れない」「夜に起きて再び寝付けない」など、慢性的な不眠症は健康を損なう可能性があります。
この記事では睡眠薬以外の不眠症改善法をご紹介します。
睡眠薬を利用すること以外にも、不眠症の治療と睡眠の質の改善のためにできることはあります。
ここでは不眠症の改善に効果があるとされている5つの方法を見ていきましょう。
睡眠ホルモンであるメラトニンは、脳内で睡眠・覚醒サイクルを調節する役割があり、メラトニンが正常に分泌されなくなると、スムーズに眠りに入りにくくなってしまったり、眠り続けることが難しくなってしまいます。
メラトニンの分泌に大きく関わるトリプトファンを豊富に含む食べ物には、鶏肉、魚介類、豆腐、卵、ナッツ類や種、牛乳などがあります。また、メラトニンはサプリメントによって直接摂取することも可能です。(メラトニンのサプリメントは、現在のところ日本ではインターネットの並行輸入などで入手可能なものであり、国内の薬局やドラッグストアなどでは購入できません)
【厚生労働省ホームページを編集して作成 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-062.html】
よく知られているカフェインのような刺激物はもちろんですが、砂糖もまたアドレナリンとコルチゾールという2種類の副腎ホルモンを活性化させ、神経を刺激することにつながります。
・糖分の摂取量を減らす
・玄米や全粒粉のパスタといった血糖値を一定に保つ効果のあるとされる食品を選ぶ
・炭水化物と一緒にタンパク質を摂り、炭水化物に含まれる糖の放出をより遅らせる
――など、良質な睡眠のためには血糖値が上がりにくい食生活を送ることが大切です。
カウンセリングや心理療法は、患者の睡眠を妨げているストレスを患者自身が知るのに役立ち、対処法を編み出す助けとなるという点で不眠症の治療に効果があります。
たとえば「薬が無いと眠れない」といった患者が抱いているネガティブな考えや不安を明らかにし、それらを変えてゆくといった手法が用いられます。
また、睡眠環境も眠りの質と大きく関連しています。
寝室を暗くして静けさを保ち、自分にとって快適な温度にするというように睡眠を促進するような環境を整えましょう。
夜に大量の食事を摂らない、就寝時間の最低3時間前からはコーヒーとアルコールを控えることも効果的です。
また、定期的に運動して適度に体を疲れさせることはもちろん大切ですが、就寝前は控えてください。
カルシウム及びリラックス効果に関わるマグネシウムを充分に摂れていないと、不眠症が悪化することがあります。
しかし、食生活においてマグネシウムはカルシウムよりも不足しがちです。
ナッツ類、青野菜、全粒の食品、魚介類といったマグネシウムを豊富に含む食品をしっかり食べるよう心がけましょう。
カルシウムの摂取には、乳製品、青野菜、ナッツ類がおすすめです。
多くのハーブには睡眠誘導効果があると言われており、その中でも最もよく知られているのはカノコソウです。
カノコソウの睡眠誘導効果は「自然の精神安定剤」とも呼ばれ、体内のGABA(アミノ酸の一種)の放出を促進することと、脳がGABAを作る際に材料となるグルタミンを供給するという二つの点から寝つきを良くする効果が期待できます。
他にもカモミール、トケイソウ、ラベンダー、ホップ、ハナビシソウ、レモン・バーム、ダイダイといったハーブがあります。
これらはお風呂に精油として加えることでもリラックス効果が得られます。
ただし、体質によって合うもの・合わないものがあるので、ハーブ療法を行う場合は事前に医師に相談してください。
不眠症には睡眠薬というイメージがあるかもしれませんが、それ以外にも改善方法はたくさんあります。
上記に挙げた方法も是非参考にしてください。