記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/3/15
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
「ゴロ寝はよくない。朝の二度寝もよくない。
そんなものからは、新しいものを生み出すエネルギーなんて生まない。
時間は有限。無限じゃない。気がつけば、あっという間に中年、高齢者だ。
できる奴に変貌を遂げる、という強い意識で、
僕は朝型人間に変わった。毎朝の日課が英会話を聞きながらのランニングだ。」
なんて、カッコイイ人もいるにはいるんですが、なかなかできないのが、だらけた生活からの脱出。
最初の一歩を踏み出すのも大変だけど、その維持は、もっと過酷。それに、こんな人だって多いはずです。
「夫は40歳、175cm、90kgです。20代の頃は痩せていたんですが、今ではすっかり中年太りのおじさんです。仕事はプログラマーで、1日中、PCの前で仕事をしています。朝は6時30分に出て、帰宅はだいたい21~22時、月に3~4回、深夜12時前に帰宅になります。すごく疲れていると思います。食後は、すぐごろ寝をします。休みも死んだように寝ています。起こすのはかわいそうです。でも起こすべきでしょうか?
会社の健康診断で高脂血症、高コレステロールという糖尿予備軍の検査結果が出てしまい、医師には運動するように言われています。本人は、“昔、野球をやっていたから大丈夫”と気にもせず、休みの日はごろ寝で運動はしようともしません。このまま病気になってしまったらと思うと、心配で不安ばかりです。どうすれば運動する気になるんでしょうか。」
よくあるケースだと思います。でも、もっと動くようにさせるには、どうすればいいんでしょうか?
現代人は、1日をほとんど座って過ごす「座る文化」の中で暮らしています。しかし、この「座る」ことは身体的、精神的に影響を与えます。そして、健康問題につながる悪習慣を作り出すことがあります。
この座ってばかりの習慣をやめて、新たにアクティブな生活習慣を作るためにできることがあります。 スマートフォンのアプリを起動させましょう。
スマホを健康に活用しましょう。計画や記録にも便利、万歩計の機能もオンにして、チェックするようになれば、自然と歩くようになります。
歩けば歩くほど、より健康的になります。座る機会を減らす第一歩は、とにかく歩くこと。ウォーキングが生活習慣をいいものにつくり変えるファーストステップです。
活発に歩くことで、食事、睡眠、思考にもいい影響を与えます。
動きを増やすための第一歩にして、最も簡単な方法が、歩くこと。さらに、姿勢をよくし、足をまっすぐに伸ばすようにすれば効果倍増。モデルばりの歩き方になります。
基礎代謝も座っているときよりも平均して50%多く燃焼します。 歩行は自由な運動です。研究では、1日30分歩くことで、心臓にとても良い効果をもたらすことがあきらかになっています。
歩けば歩くほど、その道は、幸せの道へと変わるのです。
すでに仕事、家庭、または遊びでよく動いてるという人は、一歩先の、スポーツ、エクササイズ、トレーニングに進んでいきましょう。
時間・場所的にちょっと無理という場合は、以下のヒントをチェックして、もっと動くことを意識してください。
新しい習慣を始めるのと同様に、時間が少なくても徐々にレベルを上げていきます。アプリを使ってチェックしていると、動きを追跡して思い出させることができるので刺激になります。
職場でより積極的に動くために意識すること
・電話やメールではなく、同僚の机にいって直接話をする
・ボトルやカップを持って休憩室に行く
・別の階のトイレを使う ・階段を使う
・昼食時間に散歩する
・デスクでたまにストレッチをする
自宅で意識すること
・外食や惣菜ではなく、自宅で夕食をつくる(体を動かすことと健康的に食事につながります)
・散歩する
・自転車に乗る
・家事をする
・テレビ、ネット、ゲームの時間を制限する
・食事の前後に散歩に行く(血流を増加させ、代謝を高めます)
・立ったり歩いたりしながら電話する・家庭用の運動器具を購入する(テレビを見ながらできます)
・週末に公園に行く
・一緒に運動するパートナーを見つける
・コミュニティのクラブに参加する
定期的に体を動かすと、たくさんのメリットがあります。心をクリアにして、リフレッシュさせ、気分を改善してくれます。健康的な食生活を促進し、エネルギーを高めてくれます。習慣化に成功すれば、もっと動きたいと感じることに驚くことでしょう。
この「習慣化」が難しい部分になるんですが、継続することを心が忘れないでください。運動習慣に慣れて継続することにつながります。 また、事前に目標を設定しておけば、成功率が高まります。また、活動を記録することも役立ちます。 これにより、目標に向けて効率化を図ります。 ここで重要なことは、目標を達成したときにはお祝いをすることです。
健康上の問題や状況がある場合は、新しい習慣を開始する前に医師に相談してください。 痛みや問題が発生した場合も治療を受けてください。
持病を持っている人や薬を服用している人など、運動に関して医師に相談したほうがいい人について書いていきます。