便秘治療薬を安全に使用するために覚えておきたいこと②薬の種類

2017/7/26

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

前回の記事では、便秘の治療と治療薬についての概要をお伝えしました。今回は、さまざまな治療薬について、種類別にまとめています。それぞれ特徴があり、メリットデメリットも異なるので、薬を選ぶときの参考にしましょう。

便秘治療薬(下剤)の種類はさまざま

便秘の原因や症状はさまざまですが、それに対して治療薬(下剤)もいろいろな種類があります。効能や副作用などを種類ごとの違いをきちんと理解したうえで、症状に合う薬を選びましょう。

便秘治療薬:食物繊維

食物繊維は、大腸通過正常型または大腸通過遅延型の便秘に推奨される便秘治療薬です。食物繊維は、果物、野菜、全粒粉(特に小麦ふすま)など、自然の食品で摂取することが可能であり、水分を吸収し便の量を増やすことで便が結腸をすばやく移動することに役立ちます。

食物繊維を急にたくさん摂るようになると、腹部の痙攣、膨満感、ガスに突然悩まされることがあるので注意が必要です。そうならないためにも、摂取量は徐々に増やすようにしましょう。また、食物繊維を含んだサプリメントを服用するときは、腸内ガスの発生などの症状になるのを最小限に抑えるために、十分な量の水を飲むことが不可欠です。

その他、食物繊維には特定の薬の吸収量を減少させる作用があるため、常に少なくとも1時間前、または食物繊維が消費される頃である、2時間前に薬を服用してください。

便秘治療薬:浸透圧性下剤

酸化マグネシウムなどの浸透圧性下剤には、周囲の組織から腸内に水分を吸収させる水和剤が含まれています。これによって便の量が増えて柔らかくなります。

腸内の水分が多いほど、より簡単に排便ができるようになります。効果を上げるためや、ガスや痙攣の可能性を減らすためにも、浸透性下剤を使用する場合は、水をたくさん飲むことが不可欠です。

便秘治療薬:刺激性下剤

このタイプの下剤は、腸の内面を刺激することによって作用し、大腸を通る便の移動速度を加速させます。また、刺激性下剤は、便の水分を増加します。

プルーンも有効な刺激性下剤です。刺激性下剤は、毎日または定期的に使用しないでください。このタイプの便秘治療薬(下剤)は、自然な排便能力を弱め、下剤依存症を引き起こす可能性があります。また、刺激性下剤には痙攣と下痢を引き起こす可能性があることに注意しましょう。

便秘治療薬を安全に使用する

便秘を治すために下剤を使用する場合は、以下のヒントを覚えておいてください。
・下剤を定期的に使用する必要がある場合は、まず食物繊維を試してください
・下剤を使用しているときは、水分をたくさん摂るようにしてください
・刺激性下剤は定期的に使用しないでください。中には、ビタミンDとカルシウムの吸収を制限するものがあります
便秘の症状が続く場合は、医師に相談をしましょう。

便秘はより重大な病気の警告かも

便秘は、大腸癌、糖尿病、甲状腺機能低下症などの、より重大な問題の警告である可能性があります。

便秘の原因がこれらの重篤な疾患であることは比較的稀ではありますが、念のためチェックはしておいた方が良いでしょう。医師は病歴を評価し、身体検査と臨床検査を行うことで、便秘の正確な原因と解決策を決定することができます。

おわりに:便秘治療薬を上手に選ぶ

今まで見てきたように、便秘の治療薬にはさまざまな目的があり、効能もそれぞれ違います。便秘の原因や体質に合わせて、治療薬を上手に選びましょう。

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