記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/29
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
前回の記事でご紹介した便秘解消に効果があるという食べ物が有る一方で、便秘を促進・悪化させてしまう食べ物や飲み物も存在します。今回の記事では、便秘のときに避けたほうが良い飲食物について見ていきましょう。
便秘とは便の排出が滞っている状態で、主な症状としては1週間に3回未満の排便、便が硬く乾燥している、排便時に痛みを生じる、排便が困難になるなどが挙げられます。年齢や性別に関係なく発症する可能性がある症状ですが、特に妊娠中に便秘になる妊婦さんが多いです。ほとんどの場合、便秘は危険なものではなく、自宅で緩和・対処することができます。
頻繁に便秘になるようなら、食事内容を見直してみましょう。以下でご紹介するような、便の排出を妨げている食べ物があるかもしれません。
出来合いの食べものは確かに便利ですが、便が腸内で滞ってしまう可能性があります。大半の調理済み食品は食べものが消化管内を移動するのを補助するはたらきをもつ食物繊維が不足しているからです。
また、鶏のから揚げなどの揚げ物は脂肪分が多く消化に時間がかかります。そうすると食べものがゆっくり腸内を動くため、腸内の水分が過剰に吸収されてしまい、硬くて乾燥した便ができてしまうのです。便秘のときは揚げ物の前にサラダなどの食物繊維豊富な料理を食べるにしましょう。
肉にはタンパク質と脂肪分が含まれていますが、食物繊維はあまり含まれていません。そのため、ステーキなどの肉料理は付け合せとしてブロッコリーやニンジンなどの野菜を摂ってバランスをとってください。繊維質を摂ることで消化もスムーズになります。
甘いデザートも便秘の要因になり得ます。特にクッキーなどの砂糖を使った菓子は食物繊維と水分が少なく脂肪分が多いため、便秘時にはおすすめできません。甘いものを食べたいときは、代わりにフルーツや、乳酸菌・善玉菌の摂取ができるヨーグルトを食べるようにしましょう。
甘いものと同様に、食物繊維の少ない精白小麦粉から作られる白パンも腸内の水分を吸収してしまうことが多いため、便秘を招きやすい食べ物と言えます。
アルコールには、体の水分を排出しようとする作用があります。この作用によって腸内の水分がさらに不足し、排便がしにくくなるのことがあります。お酒を飲む場合は、必ず水も一緒に飲むようにしましょう。
また、カフェインもアルコールと同じような作用があります。コーヒーを飲みすぎるとお腹がゆるくなるという人もいますが、カフェインには本来体に水分を保持させない働きがあるのです。そのため、便秘中は溜まっている便が出るまで二杯目のコーヒーは控えるようにしましょう。また、水分を補給するために水を飲むことも忘れないでください。
便秘のときの腸内は水分と食物繊維が不足している状態であることが多いです。消化に時間のかかる揚げ物や繊維質の少ない菓子類や肉、水分を保ちにくくするアルコールやカフェインは避けたほうがよいでしょう。水分が不足しがちな腸内環境を整えるためには、水を十分に摂取し、善玉菌や乳酸菌が摂れるヨーグルトなどを適度に食べることがおすすめです。