水分補給がカラダに絶対必要なワケ 人間の体の60%は水

2017/2/24

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

人体の60%は水でできています。

赤ちゃんの場合は、実に80%!

というわけで、水は、人が生きるための絶対条件。

毎日、水分をきちんと摂取することで、体内器官は正常に機能することができます。

では、そんな水分の摂取が不足したらどうなるか?
当然、さまざまな健康トラブルが発生します。

だからといって「1日に2リットル以上、水を飲みましょう!」

と言われても、やたらトイレが近くなって困ります。

水を効率的に摂取するおすすめの方法のないのでしょうか?

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“生きる”ために重要な水分補給

人間は水なしでは生きることができません。生存のために、水は絶対条件。体内のあらゆる細胞、組織、器官は、水分が浸透することによって、正常に機能します。 水があってはじめて、健康も成り立つのです。

体はどうやって水を失うのですか?

体重の半分以上を占めているのが水分。尿や汗だけでなく、呼吸するときでさえ、常時、水分は体から失われています。

暑いとき、運動しているとき、または熱がある時は、さらに速いスピードで水分は失われます。 嘔吐や下痢も水分を急速に失い、水分を補給しなければ、脱水状態に陥ります。

脱水しているかどうか知ることができますか?

脱水症は以下のような症状が出ます。

・ほとんど、または、まったく尿が出ない
・通常より色の濃い尿が出る
・激しい渇き
・眠気や疲れ
・頭痛
・混乱
・めまいやふらつき

脱水症状が自覚できる状態は大変危険です。暑い時、運動している時は、こまめに水分を補給し、脱水症状を未然に防ぎましょう。

どんな人が脱水のリスクが高くなりますか?

年を取るにつれ、脳は脱水を感知しにくくなるため、高齢者は脱水の危険があります。また、激しい運動をしたり、特定の病状を抱えている人も、脱水のリスクが高くなります。

以下に挙げる人は、意識的に水分の摂取量を増やしてください。

・腎臓結石や膀胱感染を患っている
・妊娠している、もしくは授乳中
・猛暑の中、外出しようとしている
・激しい運動をしようとしている
・熱がある
・嘔吐している
・下痢である
・体重を減らそうとしている

水は、毎日どのくらい飲むべきですか?

毎日200cc以上、1000cc以上、2000cc以上、など摂取量についてはさまざまな意見があります。

必要な水分摂取量は人それぞれですが、少ないよりも多いほうが体にとってメリットがあります。

飲み物・食べ物などから摂取する水分の合計は、成人男性で1日平均1500ccと言われています。

ほとんどの人は喉に渇きを感じる度に、水やほかの飲料を飲めば体に水分を保つことができます。

水分を十分に摂取しているか心配であれば、尿をチェックしてください。無色または明るい黄色の場合、水分は十分に摂取できています。 濃い黄色または琥珀色は水分不足のサインになります。

水以外には何がおすすめですか?

水以外に、果汁ジュース、野菜ジュース、ミルク、ハーブティー、カフェイン飲料(コーヒー、紅茶、コーラなど)も水分保持に役立ち、水分摂取量にカウントすることができますが、砂糖の含有量が多いと、余分なカロリーを摂ることになります。

カフェインは適度であれば(200〜300ミリグラム)、ほとんどの人にとって有害ではありません。しかし、カフェインは利尿作用が高いこと、気分を悪くすることがあるため、過剰摂取は避けるようにしてください。

スポーツドリンクとエナジードリンクはどうですか?

ほとんどの人は、水分維持は水で十分です。しかし、1時間以上、激しい運動をするような場合は、スポーツドリンクが役に立ちます。 炭水化物と電解質を含んでいるために、体にエネルギーをあたえつつ、水分の吸収を助けてくれるからです。

スポーツドリンクには、糖分が高いもの、カフェイン入りのものもあります。用途に合わせ、適切なものを選んでください。

一方、エナジードリンクには、通常、大量のカフェインや、水分補給には不必要な成分(ガラナ、人参、タウリンなど)が含まれています。子どもにはエナジードリンクを飲ませないようにしてください。

おわりに

最後にまとめとして、水分を十分に摂るため、効果的に摂るためのヒントをいくつか挙げます。
 
・日中はペットボトルの水を1本携帯する。
・タンブラーに水を入れて携帯する
・水にレモンやライムを加えて味を変え、飽きないようにする
・運動の前、中、後は必ず水を飲むようにする
・空腹を感じたら、水を飲む
・スケジュールを決めて飲む
・食前に必ず飲むようにする

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