帯状疱疹は他人に感染することがあるの?どう対策をとればいい?

2017/7/27 記事改定日: 2019/4/23
記事改定回数:2回

二宮 英樹 先生

記事監修医師

東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック

二宮 英樹 先生

帯状疱疹は決してまれな病気ではないものの、稀に重症化することがあるため、初期症状の段階から適切な治療を受けることが大切です。
そして、他人に感染させない、感染しないために正しい知識を持っておく必要があります。
ここでは、帯状疱疹の感染について解説しています。

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帯状疱疹の原因と主な症状って?

帯状疱疹とは、過去に水ぼうそうに感染したことのある人の知覚神経節や脳神経節に潜伏し続けている水痘・帯状疱疹ウイルスが、加齢、疲労、ストレス、悪性腫瘍などの免疫力の低下によって再活性化した結果、引き起こされる症状です。

発症すると神経痛があらわれ、その数日後に胸や背中、腰の片側に赤い発疹が帯状に複数現れます。その後、痛みやかゆみを伴う水ぶくれへと変化していきます。

帯状疱疹は、ほかの人に感染する?

「帯状疱疹」が他人に「帯状疱疹」としてうつることはありません。
というのも、帯状疱疹という病気は、水ぼうそうにかかったことがある人の体内の神経に潜伏していたウイルスが、再び活性化して発症するものだからです。

このため、帯状疱疹にかかった人と接触した人が、帯状疱疹にかかることはありません。

ただし、水ぼうそうにかかったことがない方や、あるいは水ぼうそうの抗体を持たない方の場合、水疱部分に触れてしまったことで「水ぼうそう」を発症してしまう可能性があります。

したがって、帯状疱疹を発症している方は、水疱がかさぶたになるまでガーゼなどで覆い、水ぼうそうにかかったことがない人に不用意にうつさないよう配慮することが大切です。

帯状疱疹があっても仕事や外出はOK?

基本的に、仕事や外出をしても構いません。ただし、帯状疱疹は、疲労やストレスが原因で免疫力が低下したときに発症することが多いため、十分に休養し、体を安静にしたほうがよいでしょう。

また、まれに全身に水ぶくれが広がってしまう(汎発性帯状疱疹といいます)ことがあります。このような場合、水ぼうそうと同じ状態になり、空気感染のリスクも出てきます。

先にも触れたように、帯状疱疹は水ぼうそうにかかったことがある人にはうつりませんが、まだ水ぼうそうになったことがない人や、予防接種を受けていない人には、空気感染によってうつる恐れがあります。

周囲への感染を防ぐために必要に応じて仕事や外出を控えたほうが良いことがあるということは覚えておきましょう。

帯状疱疹に感染しない、感染させないためにできる対策は?

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスに感染することによって発症します。
水痘・帯状疱疹ウイルスは、接触感染や飛沫感染、空気感染など様々な感染経路を持ちます。
ウイルスは発症者の唾液や水疱の滲出液などに含まれますので、近くに発症者がいる場合はマスクを手洗い・手指消毒を徹底し、不用意にタオルや衣類、寝具などの共用をしないようにしましょう。
また、こまめに窓を開けて空気を入れ替えるなど空気感染対策を行う必要もあります。

自身が帯状疱疹になった場合には、周囲に感染を拡げないためにも水疱ができている部位は衣類などで隠し、マスクを着用するようにしましょう。また、なるべく人ごみに行かないことも大切です。

帯状疱疹の治療期間はどのくらい?

年齢や健康状態など免疫力によって差はありますが、一般的には発疹がかさぶたになるまでには10~15日、皮膚が正常に戻るまでには1ヵ月ほどかかるといわれています。

抗ヘルペスウイルス薬は、効果があらわれるまで2日ほどかかるため、自己判断で服用をやめないことが大切です。また、薬の服用は、発症からできるだけ早いうちに始めたほうが効果が得られます。「帯状疱疹かもしれない」と思ったら、できるだけ早く病院へ行きましょう。

帯状疱疹は、軽症の場合は通院で治りますが、重症化すると入院が必要になります。また、皮膚の湿疹が改善しても、神経痛といった後遺症が残る場合、治療に1年以上かかることもあります。

おわりに:帯状疱疹が出たらしっかり休み、感染しない、させないための対策をとろう

帯状疱疹は、働きすぎによる疲れなどが原因で発症することがあります。効果的な治療薬もありますが、発症した背景には働き過ぎなどがあることが多いです。可能であれば、しっかり休息を取ることをおすすめします。

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