飲みすぎ厳禁!アルコール依存症の恐怖
2017/3/15
大体の目安として、
・1週間にビールを合計3リットル以上飲む(350ml缶8本程度)
これ以上の量の飲酒習慣がある場合、健康上のリスクが高まります。
アルコール度数が高い酒の飲酒量が多ければ多いほど、長い間、飲み続ければ飲み続けるほど、
アルコール中毒に陥る危険性も高まります。
「こんな試合を続けていたら、自分の選手生命は確実に縮まってしまう」
というような名言を残したスポーツ選手がいましたが、アルコールも同じです。
「過剰に飲んでいたら、確実に生命を縮めてしまう」のです。
定期的・過剰な飲酒が健康にもたらす影響について、毎年のように新しい研究結果が発表されています。飲酒とがんの関係についても、どんどん新しい関連性が判明してきています。
かつて、「適度のアルコールは心臓によい効果がある」といわれていましたが、今ではすっかり昔の話で、飲酒による健康効果は、考えられていたほど高くないということが明らかになっています。
飲酒のコントロールはできていますか?
アルコールを口に入れたが最後、必ず飲み過ぎて泥酔、二日酔い…。意識的にアルコールの摂取量を止めるこができないとアルコール中毒に突き進みます。アルコール中毒と「大酒飲み」の違いは、意識的に飲酒量をコントロールできるかどうかです。
一度、コントロールができなくなれば、一生元には戻りません。完全な断酒しか、アルコール依存症を克服する方法はありません。
飲酒コントロールの基準
飲酒量のコントロールできているかどうかは、検査ではわかりません。健康診断と同じく、肉体の状態がわかるだけです。以下に、飲酒のコントロール能力を喪失しかねない、あぶない飲み方、行動パターンを挙げます。
・毎日ほとんど同じパターンで飲む。
・一日も欠かさず飲む。
・酔うと寝る。
・飲みたくないが、飲んでしまう。
・少しで切り上げようとするが、できない。
・不眠のために飲酒する。
・発汗、いら立ちを抑えるために飲む。
・水のように早く飲む。
・いつでもアルコールを飲めるように買い置きしている。
・自宅に酒がないと不安になる。
特に要注意なのが、「酔うと寝る」が「目を覚ますと飲む」に変わることです。目を覚ますと酒を飲み、酔って寝る。そして、再び目を覚ますとまた飲む、というパターンに変わってしまうことです。
この「連続飲酒発作」になってしまうと、飲酒以外何もできなくなります。しばらくすると、体がアルコールを受けつけなくなり、まったく飲めない断酒状態になりますが、アルコール中毒が進行し、連続飲酒発作と断酒を繰り返すようになります。
アルコール離脱症状群
体内に残っているアルコールが減少すると出てくるのが、アルコール離脱症状群です。
アルコール離脱症状群は、現れ方によって、二つのタイプにわけられます。
早期離脱症状群
・手や全身のふるえ
・発汗
・寝汗
・不眠
・吐き気、嘔吐
・高血圧
・不整脈
・イライラ
・集中力の低下
・幻聴
・けいれん
てんかんのようにけいれんする発作は、「アルコールてんかん」と呼ばれ、ほとんどがアルコールを受けつけなくなった断酒状態の二日以内に起こります。薬の服用の必要はない発作です。
早期離脱症状群は、飲酒後、数時間で現れます。そのままアルコールを摂取しなければ、数日で回復しますが、飲酒によって治まるため、再度摂取したアルコールで新たな離脱症状の原因になる悪循環に陥ります。
後期離脱症状群
・幻視
・見当識障害
・興奮
・発熱
・発汗
上の症状は、すべて含めて「振戦せん妄」とも言います。アルコールを受けつけなくなった断酒状態の2、3日後に生じ、3日くらいでよくなりますが、長期間続くこともあります。幻視は、実際には、そこにないものが見えている状態で、幻聴を伴うこともあります。見当識障害は、時間、場所、人物の見分けがつかなくなることです。不安や恐怖感の高まり、発熱、発汗といった自律神経症状を伴うことが多くなります。
アルコールが切れてくると何らかの症状が出てくるようであれば、アルコールに対するコントロール能力を喪失している状態です。心あたりがあるのであれば、断酒を決意するべきです。
おわりに~アルコール依存症の進行~
アルコール依存症の発症、進行は人によって異なるため、モデルケースのようなものはありません。しかし、放置することで、さまざま病気を併発し、最悪の場合は死へと至ります。アルコール中毒による依存症によって、体を壊し、健康を失い、家族関係を壊し、家庭を失い、仕事が手につかなくなり、仕事を失い、酒への散財でお金を失い、そして、何もかも失ってしまうことがあります。アルコール依存症になったが最後、もう二度と「普通の飲酒」はできないのです。