アソコが痛い・・・それ、「外陰痛」かも?

2017/3/10 記事改定日: 2017/9/1
記事改定回数:1回

佐藤 典宏 先生

記事監修医師

産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

二宮 英樹 先生

記事監修医師

東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック

二宮 英樹 先生

アソコがヒリヒリしたりかゆくなったりしたこと、ありませんか?
もし続いているなら、「外陰痛(がいいんつう)」かもしれません。
ひどい場合はセックスで苦痛を感じたり、「外陰がん」のケースもあるかも。

そこで今回は、女性特有の症状「外陰痛」と「外陰がん」の全般的な知識をご紹介します。

外陰痛とは?

「外陰」とは、女性の外性器や、腟への開口部周辺の領域のことです。そこの痛みや不快感を「外陰痛」といいます。

症状

外陰痛は、通常、焼けるような感覚、チクチクした痛み、かゆみ、ヒリヒリした痛みです。 セックス中や、歩行中、または座ったり運動したときに痛みが悪化することがあります。 外陰痛は突然始まり、何ヵ月から何年も続くケースもあります。
生命を脅かすものではありませんが、痛みのあまりセックスが苦痛になるなど、日常生活に影響をきたす可能性があります。

原因

正確な原因は不明ですが、要因として下記のものが考えられています。

・カンジダ感染症、性器ヘルペス、膣トリコモナス症
・刺激物(石鹸、生理ナプキンや衣服中の洗剤から)
・湿疹や接触性皮膚炎
・過去のレーザー治療や女性器の手術
・外陰癌
・骨盤の筋肉のけいれん

外陰痛の検査方法は?

外陰痛の原因を調べる上でまず大切なのは、目で診て病変があるかどうか、ということです。湿疹、接触性皮膚炎、性器ヘルペス、外陰癌などでは、目でみえる病変があります。

その他には、細菌の検査や血液検査(体の炎症や感染症の抗体を調べる)、コルポスコピー(特殊な拡大鏡を使って、子宮頸部の病変を観察・生検することができる)や生検が必要です。生検の場合、鎮痛薬で性器領域を麻痺させてから、小さな組織片を切り取り、顕微鏡で観察します。

外陰痛の治療法は?

外陰痛の原因によって治療法は異なります。産婦人科やレディースクリニックを受診して適切な診断、治療を受けることが大切ですが、外陰痛に対して、例えば以下のような治療法があります。

・酵母感染症治療用のクリームや丸薬
・ステロイド外用剤→湿疹や接触性皮膚炎に対して使われます
・抗うつ薬
→神経の痛みや刺激を軽減します。
・インターフェロン注射
・レーザー療法や手術による治療
・理学療法やバイオフィードバック療法
→骨盤の筋肉けいれんも外陰痛の悪化の原因と思われるので、この治療を通じて骨盤筋の強化・リラックスさせることでけいれんを緩和させます。

・運動療法
自宅で行うエクササイズで骨盤筋をリラックスさせます。

上記の方法で効果を実感できたら、それを続けてください。効果がない場合は、ほかの治療法について医師と相談しましょう。


外陰痛の悪化を防ぐために、自分でできることは?

外陰痛がある方は、普段の生活で下記のことに気をつけてみてください。

・性器を洗うときは水だけにし、石鹸を使用しない
・性器近くを頻繁に水で洗い、刺激の原因となる腟分泌物を洗い流す
・排尿後は水ですすぐ
・クリーム、石油ゼリー、バブルバス、バスオイル、フェミニンデオドラントスプレーなどの使用を避ける
・綿100%の下着、緩い服を着る(ストッキングなど化学繊維を使用した服を着ない)
・漂白されていないトイレットペーパーと綿100%の無臭の生理用品(タンポンとナプキン)のみを使用する
・性器近くを刺激する可能性のある避妊具や避妊クリームの使用を避ける
・新品の下着は、着用する前に洗う
・濡れた水着で長時間座らない
→性器近くで細菌や酵母が過剰になることがあります。

外陰がんとは?

「外陰がん」とは、女性の恥丘(ちきゅう)、大陰唇、会陰(えいん)にかけて生じるがんです。多くは大陰唇に発生します。

外陰がんはあまり一般的ではなく、初めて聞いた人もいるかもしれません。早期の段階では自覚症状がない場合もありますが、陰部のできもの、かゆみ、痛み、出血などの症状があらわれ、性交時痛の原因である可能性もあります。
ただし、早期に発見されれば治癒率は高く、治療の選択肢も増えるため、手術せずに治ることもあります。

症状

外陰がんには、以下のような兆候があります。あてはまる人は、医師に相談してください。

・外陰のかゆみが1ヵ月以上続く
・外陰の傷や痛みがいつまでも治癒しない
・外陰部に塊や腫瘤がみられる
・外陰が痛む
・外陰部からの出血がある(月経の出血とは別)
・外陰痛の治療後も性器付近で焼けるような感覚が続く
・外陰部の母斑やほくろの大きさ、色、質感に変化が見られる

原因

外陰がんは、65~75歳が最もよくかかりますが、40歳以下でもかかることがあります。
原因のひとつとして、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染が考えられています。

検査方法は?

外陰痛と同じく、生検を行います。生検は、外陰がんの唯一の検査方法です。

治療法は?

基本的には、外科手術、放射線療法、化学療法、またはこれらを組み合わせて治療します。ただ、がんの大きさ、深さ、および広がりによって治療法は異なります。

早期に発見・治療した場合、治癒率は90%を超えます。完治のためには、兆候が見られたらすぐに医師に相談し、生検を受けることが重要です。治療が終わっても定期検診を忘れずに。

おわりに

デリケートゾーンのトラブルは、なかなか周りには言いにくいもの。でも、この記事を見て「私も?」と思ったら、恥ずかしがらずに病院へ!「外陰痛」「外陰がん」も早めの治療が大切ですよ。


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