記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/31 記事改定日: 2020/1/24
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
労作性頭痛(ろうさせいずつう)とは筋トレ、重い荷物を持つ、走る、泳ぐなどの運動が原因で生じる頭痛です。頭部全体に激しい痛みが見られ、身体を動かすことで痛みが増す特徴があります。
この記事では、原因と筋トレ後の頭痛の対処法についてご説明します。
筋トレ後の頭痛のように、運動中や運動後に発症する頭痛のことを労作性頭痛と言います。労作性頭痛の原因は現段階では完全に判明されたわけではありません。
しかし特定の動作が引き金となることはわかっているので、頭痛が起きる直前の動作を注意深く観察することで頭痛を招く動きを見つけることはできるでしょう。
労作性頭痛は発症すると頭全体がかなり激しく痛みますが、多くの場合は一定の時間が経過すると痛みは自然に消えていきます。
あまり知られていないタイプの頭痛のため、周囲の人から「さぼっている」「怠けている」などと思われる傾向があり、本人も頭痛の原因に気づくまでに時間がかかることが多くひとりで思い悩みがちになります。しかし、労作性頭痛はれっきとした頭痛の一種です。
下記に挙げるのは現段階で有力とされる労作性頭痛の原因です。
運動時には、頭、首、頭皮の筋肉が普段よりも多くの血液が必要とします。必要な血液を供給するために血管が拡張すると、頭蓋内の静脈系がうっ血し労作性頭痛が起こることがあります。
また、運動時の脱水や酸欠も原因のひとつと考えられています。
高負荷の筋トレや高速度の筋トレは筋肉に瞬発的な負担をかけるため、労作性頭痛が起きやすいです。
筋トレを習慣化していない人はとくに痛みが出やすいといわれているので、筋トレ前のウォーミングアップが大切になってきます。
筋トレなど、労作性頭痛の原因となる動作をしないことが一番いいのですが、難しい場合もあるでしょう。
頭痛が起こった後の対策や予防対策ために、以下のことを覚えておきましょう。
運動後に頭痛がしたときは、横になったりゆったり椅子に座ったりして安静に過ごすようにしましょう。
その際、読書をしたり、スマホやタブレットをいじったりしていると頭痛がひどくなることがありますのでそのような行動は避け、眼を閉じて可能であれば少し眠るようにしてください。
また、頭痛が治まっても数時間は運動を避けた方が無難です。できるだけ翌日以降に運動を再開しましょう。さらに、吐き気があったり、安静にしていても頭痛が治まらないようなときは軽く考えず早めに病院を受診することも大切です。
運動するときは無理のない範囲ですることがポイントです。自分の体力をきちんと把握し、運動時間や運動の負荷を設定してください。また、運動中に休憩をとることや、こまめに水分補給を摂りましょう。
病院を受診して労作性頭痛と診断された場合には、運動前にβ遮断薬であるプロプラノロールを含む薬剤を服用することで発症を抑えたり、頭痛に対してはインドメタシンを含む鎮痛薬の使用や頭部の冷却などがすすめられています。
労作時の頭痛に悩んでいる人は、自己判断で市販薬を服用する前に一度病院を受診して医師から適切な薬を処方してもらいましょう。
労作性頭痛の大半は深刻な病気でなく、一時的に頭痛が現れるのみで特に大きな心配はありません。
しかし、なかには運動による血圧上昇によって脳内出血やくも膜下出血などが生じている可能性もあります。また、脳腫瘍などによって頭蓋内圧が上昇することで頭痛が引き起こされることもあり、重篤な病気が潜んでいる可能性も否定できません。
運動後に我慢ができないような強い頭痛が生じた場合や、吐き気を伴う場合、頭痛が一向に治まらない場合などは一度病院で診てもらうことをおすすめします。
筋トレなど体に強い負荷がかかる動作によって生じる労作性頭痛は、運動前に鎮痛薬を飲んでおいたり、きちんと準備運動をして体に急激に負荷がかかりすぎないようにすることなどで予防ができます。もし、運動中に頭痛がした場合はでも、すぐに運動をやめて安静にすることで大半は回復します。
しかし、まれにではありますが、こういった運動時の頭痛には怖い病気が隠れていることがあるので、一度は病院で診てもらうようにしましょう。
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