記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/2
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
便秘で長く苦しんでいる人は、便秘がとても不快なものであることをご存じでしょう。便秘薬で短期的な改善を試みるのではなく、生活様式を部分的に変えることで、便秘がほとんど起こらないようにしてみませんか?
ここでは、医療関係者が重要視している、消化器系の健康を改善して便秘にならなくなるための生活習慣をご紹介します。
運動不足は、体重増加やその他の健康問題を引き起こすだけでなく、消化にも影響を与える可能性があります。「ほとんど体を動かさないのは、私がもっとも心配する生活スタイルです」とMayo Clinicの消化器専門医であるG. Richard Locke Ⅲ医学博士は言っています。正確な理由は分かっていませんが、運動をしないことによって便秘が引き起こされる可能性があるのです。
「腸を動かすためにできる最善のことは、起きて、バランスのとれた食事をし、軽い運動をすることです」とLocke氏は言います。激しい運動である必要はありません。ただし、毎日継続させることが重要です。
食物繊維は体が消化できない物質ですが、良い消化のためには必要な要素です。「食物繊維は体内を通り、便を形作るものになります」とLocke氏は言います。食事に十分な食物繊維が含まれていないと、便は小さく、乾いて、硬いものになってしまう可能性があります。
食物繊維をより多く食べて便をかさ増しし、より柔らかく、動かしやすいものにしましょう。食事でより多く食物繊維を得るためには、野菜や果物、豆、全粒穀物をたくさん食べましょう。
例えば、毎食お皿の半分を果物や野菜でいっぱいにするようにしてはいかがでしょうか。全粒穀物のパンやシリアルを選び、週に1~2回は食事に豆を加えることもおすすめです。
食物繊維を食事に段々と加えていくこと(そして十分に水を飲むこと)で、お腹が張ることやガスが溜まることを防げます。あまり効果がない場合には、食物繊維サプリメントの服用を考えてみましょう。
脱水状態になっていると、体内の水分が少ないため便を柔らかくしておけません。また、腸の中の便を動かすためには水が必要です。
暑い日などは、知らないうちに脱水症状になっている可能性もありますから気をつけましょう。
便秘を防ぐために1日6杯もの水を飲む必要はありません。鍵は、のどが渇いたと感じない程度に、十分に水分を摂ることです。水である必要はありません。カロリー量に気をつけてさえいれば、ジュースであっても構わないのです。
University of Pennsylvania Health Systemの助教授であるFaten Aberra医学博士は、アルコールとカフェインを制限することも推奨しています。アルコールやカフェインによって、尿を通して水分を失ってしまう可能性があるからです。
運動することで消化器系の活動が活発になるので、便がよりスムーズに動くようになります。医者から許可が出た場合には、毎日運動をするようにしましょう。
ジャンクフードばかり食べていると、食物繊維や栄養素が少なく脂肪や糖が多い食べ物を摂取することになります。脂肪が多く食物繊維が少ない食事を続けていると、便秘になる可能性が高くなります。
好きな食べ物を我慢する必要はありません。健康的な代替品を選ぶようにしましょう。ピザを頼む代わりに、市販の全粒小麦でできた生地に低脂肪のチーズとたくさんの野菜をトッピングして自分でピザを作ってみてはいかがでしょうか。
また、ハンバーガーやフライドポテトが好きな人は、サツマイモのフライと、鶏肉や豆で作ったハンバーグを全粒小麦のバンズに挟んで食べてもいいでしょう。
便秘は、他の疾患が原因となったり、ストレスが原因でなることもあります。しかし、そのほとんどが自分の生活を少し見直すだけで改善されるといわれています。
上記を参考に、便秘の不快感のない、晴れやかな生活をおくりましょう。