ストレスによる頭痛はなぜ起きる? どう対処すればよい?
2017/8/2
大量の仕事に追われているときや重要な任務を任されたときなど、過度のストレスによって頭痛を感じる人は少なくありません。では、ストレスが溜まると頭痛が起きるのはなぜでしょうか?ストレスによる頭痛にはどう対処すればいいのでしょうか?
そもそもストレスっていいもの?悪いもの?
誰もが多少のストレスを感じながら生きているものですが、ストレスにはいいものと悪いものとがあります。一般的にいいストレスとは、私たちに適度な緊張感を与えつつも意欲を奮い立たせてくれるものです。しかし、そのストレスがあまりにも過度なものだったり、あまりにもたくさんのストレスが重なったりすると、それは悪いストレスとなります。悪いストレスは私たちを病気にさせたり、健康状態を悪化させたりします。
ストレスからなぜ頭痛が起きる?
人間を含む肉食動物は外敵の脅威から身を守るため、生まれつきストレスに反応するように設計されています。例えば、散歩中に大きな犬に吠えられ知覚された脅威に遭遇したとき、脳の基底にある視床下部は体内の警報システムを始動させます。これにより、副腎がアドレナリンやコルチゾールといったホルモンを盛んに分泌し、気分、モチベーション、恐怖を司る脳の領域に影響を与えます。
通常、感知された脅威が過ぎ去ることでアドレナリンとストレスホルモンのレベルは正常に戻りますが、常に脅威にさらされていると脳が感じると、ストレス応答システムが長期的に活性化し、さまざまな身体症状が引き起こされるようになります。現代では外敵から襲われる事態はめったにありませんが、代わりに大量の仕事や家事といった別の脅威が存在し、これらをストレスに感じるようになっています。つまり、過度なタスクによるストレスによって、頭痛が引き起こされることがあるのです。
ストレスから頭痛になると、どんな症状が起きる?
ストレスによる頭痛のひとつに「緊張型頭痛」があります。これはストレスによって首や顎の筋肉が緊張した結果、引き起こされる頭痛です。緊張性頭痛の重症度は人によってさまざまですが、代表的な症状としては、頭の両側や首に締め付けられるような鈍い痛みを感じることが挙げられます。頭痛自体は時間の経過とともに徐々に和らいでいくことがほとんどです。
どうすれば頭痛を解消できる?
ストレスによる頭痛を解消するのに効果的な方法をご紹介していきます。
リラクゼーション療法
頭痛の根本的な原因であるストレスを解消させるリラクゼーション療法は、頭痛の予防・解消に非常に効果的な方法です。リラクゼーション療法の例としては下記のものが挙げられます。
・ヨガや瞑想
・自然豊かな公園で散歩する
・ラベンダーオイルを数滴垂らした温かいお風呂に入る
・薄暗い明かりのついた部屋で、目を閉じて横になる
睡眠をしっかりとる
睡眠不足によって体のストレス反応が増大し、痛みが悪化する可能性があります。頭痛を予防・解消するために、毎日7~8時間は寝るようにし、規則正しい睡眠スケジュールを守りましょう。
定期的に運動する
運動はストレスホルモンを減少させるだけでなく、エンドルフィン(気分やエネルギーを高める神経伝達物質)の放出量を増加させる効果があります。有酸素運動(ウォーキングや水泳など)を20~40分間、少なくとも週に3回行いましょう。週に3回適度な有酸素運動をすることで、ストレスだけでなく頭痛の解消にもつながるでしょう。
健康的な食事をとる
健康的な食事をとることで、頭痛の頻度や継続時間、痛みの程度に違いが出ることが明らかになっています。高脂肪の食べ物や加工食品の摂取は避け、脂肪性の魚や全粒穀物、緑の葉物野菜などを多めに食べましょう。
休息をとる
やるべきことがあまりにも多すぎると、頭痛が悪化してしまう可能性があります。過度のタスクは抱えず、自分の時間を持つようにしましょう。ストレスのかかる状況から距離を置くのも効果的な方法です。毎日昼休みに数分間散歩して、新鮮な空気を吸うだけでもストレス解消効果があります。
良い姿勢を保つ
前かがみにならず真っ直ぐ立ちましょう。良い姿勢によって体がリラックスした状態を保ち、頸部の痛みや筋緊張を予防することで、結果的に頭痛を解消させることができます。
本を読むときには首を前方に曲げるのではなく、体と一直線になるようにしてください。また、PCを使うときは画面が目の高さと同じ位置にくるようにしましょう。
顔をリラックスした状態にすることも大切です。筋緊張につながる可能性があるので、歯を食いしばらないようにしましょう。
おわりに:リラックスできる時間を作って乗り切ろう
ストレスによる頭痛を緩和するためには、そもそもの原因であるストレスを解消することが一番の対処法といえます。仕事やタスクばかりに時間を割くのではなく、自分のためのリラックスタイムを日々確保して、ストレスを上手に発散していきましょう。