記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/7
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
咳が続くと体力も消耗するだけでなく、夜眠れなくなることもあります。肺炎は、咳だけでなく他にも様々な症状が起こることもあり、重症化すると深刻な状態に陥るケースもあります。
肺炎の原因とは何でしょうか? 今回の記事では、肺炎の原因を中心にまとめています。
肺炎の原因が特定されることは、症例の50~75%でしかありません。
もっとも多いのは細菌が原因の細菌性肺炎で肺炎球菌、インフルエンザ菌、マイコプラズマなどが主要な原因ですが、その他免疫力の異常があったりする場合には、ウイルス、真菌などの多彩な微生物が原因となり得ます。各種微生物の特徴について解説します。
マイコプラズマは年長の子供たちと若い成人の肺炎の原因になります。比較的若年者に多いとされており、治療に際してはペニシリン系やセフェム系といった抗菌薬が無効なため、別の抗菌薬を用いる必要があります。
温泉などに行った後の肺炎の起炎菌として有名です。
入院中の肺炎(院内肺炎)では抗生物質の使用や、病院に入院していることで肺炎の原因菌が通常と異なります。緑膿菌、アシネトバクターなどの耐性細菌が原因になることが多いです。
他の原因には、真菌(アスペルギルス、クリプトコッカス、ニューモシスチスなど)が含まれます。
これらの微生物は通常、進行したHIV、治療中の癌患者や臓器・骨髄移植患者のように、免疫力が落ちている人にしか感染しません。
子供の肺炎は、RSウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルスなどによって引き起こされることが多いです。
アルコールの濫用が肺炎のリスクを上げるといわれています。
ある研究で、酒を大量に飲む人はそれ以外の人に比べて肺炎で入院する可能性が高いという結果が示されました。
しかし、お酒を飲むこと自体が、直接肺炎リスクを上げると実証されたわけではありません。アルコールと関連のある肝臓や心臓の問題がその理由になっているとも考えられます。
ここまで説明してきたように、肺炎の原因はさまざまです。日本でも肺炎は多く発症しているので、肺炎と疑わしい症状が表れた場合は、病院を受診して原因を追求し、適した治療をすることが大切です。また、肺炎にならないように普段から予防に努めるようにしましょう。