「ひと晩置いたカレー」が食中毒の原因になることがあるって本当?

2017/8/1

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

「カレーはひと晩置いたほうが美味しい」ということは良く聞きますが、実は2日目のカレーは食中毒を招く危険性があるため注意が必要です。
カレーによる食中毒の原因や対処法について、この記事で確認していきましょう。

しっかり加熱しているのに、カレーが食中毒の原因になるのはなぜ?

カレーによる食中毒の原因のウェルシュ菌(Clostridium perfringens)がカプセル状の芽胞(がほう)となり、熱などの刺激から身を守ります。この状態では100℃での加熱に1~6時間ほど耐えることができます。そのため、加熱をしていても菌が死なずに毒素を作り出して食中毒を引き起こすのです。

過去にもカレー、煮魚、麺のつけ汁、野菜の煮付けなど様々な煮込み料理がウェルシュ菌による食中毒の要因となっています。

ウェルシュ菌は人や動物の腸内や土壌、下水などに存在し、肉、魚、野菜などの食材にも付着します。体内に大量に取り込まれると食中毒を引き起こす危険性があります。

【出典:厚生労働省ホームページを編集して作成 http://www.fsc.go.jp/sonota/clostridium_perfringens_e1.pdf

カレーで食中毒になるとどんな症状が出る?

カレーが原因の食中毒で見られるの主な症状は下痢や腹痛で、特に下腹部がはることが多いです。
嘔吐や発熱が見られることはほとんどありません。
また、血便(粘血便)を呈すことはほとんどないですが、極めてまれに粘血性の下痢を十数回起こすといった重症例もみられます。

ウエルシュ菌による食中毒にかかった人の多くは2日以内には回復しています。

カレーで食中毒になったかも・・・と思ったら何をすべき?

ウエルシュ菌が原因の食中毒は比較的症状が軽いため、家庭で対処する事も可能です。ただし、2~3日経っても症状が回復しない場合は病院で診てもらいましょう。
家庭でできる対処法には以下のようなものがあります。

水分補給

吐き気や下痢が落ち着いてきたら、下痢で失われた体内の水分や電解質を補給するために水分を摂りましょう。ただし、一気に大量の水分を飲むと胃腸が刺激されてしまい、下痢や嘔吐の症状が再びあらわれやすくなるので注意が必要です。
また、胃腸への刺激を減らすために飲料は冷たくせず常温もしくは少し温かい状態で、電解質が含まれたスポーツドリンクなどをゆっくり飲むようにしてください。

乳酸菌などを含む整腸剤の服用

食中毒への対処には乳酸菌などを含む整腸剤を服用する方法も効果があります。
ただし、服用の目的は下痢や嘔吐の症状を止めることではなく、乱れた腸内環境を早く正常の状態に戻すことです。

また、市販の吐き気止めや下痢止め薬は菌の排出を遅らせてしまう可能性が高いので、医師の許可のない使用は控えてください。

どうすればカレーによる食中毒を予防できる?

一般家庭での発生率はさほど高くはありませんが、特に夏は気温や湿度が高いため、屋外での食事には注意が必要です。
まずは、調理器具や場所、手や指を清潔にしましょう。
そして、調理後はなるべく早めに食べきることが大切です。保存をするときは、小分けしてから時間をおかず冷蔵庫で急激に冷却するようにしてください。

おわりに:調理中はよくかき混ぜ、調理後は冷蔵庫で保管がポイント!

カレーなど食品中で菌が増殖するのを防ぐために加熱調理食品の冷却は速やかに行ってください。
食品を保存する場合は鍋を冷蔵庫に入れるなどして10℃以下または55℃以上を保ち、食品を再加熱する場合は十分に加熱して増殖している菌(栄養細胞)を殺菌することを意識しましょう。

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