頭痛を治すために!? 頭痛の予防的治療とは?①

2017/8/8

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

頭痛は、腰痛や歯痛とともに、たくさんの人が感じているものです。特に頭痛は、さまざまな原因があり、治す方法も多岐にわたります。今回の記事では、頭痛の予防的治療を中心にお伝えします。

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頭痛の診断とは?

頭痛は、一次性頭痛と二次性頭痛に分かれます。一次性頭痛は普通の慢性頭痛であり、はっきりとした理由もなく発生します。

しかし、二次性頭痛は、他の病気によって引き起こされるものであり、原因となる病気を治療しなければ頭痛は改善しません。

診断の第一段階は、二次性頭痛の可能性を排除するために、徹底的な医学・神経学的検査を行います。

二次性頭痛の診断の際には、患者の病歴も重要ですが、検査で潜在的な病気や神経系の問題を調べることの方がさらに重要といえるでしょう。

この検査の結果次第では、さらに詳しい検査が必要と判断されることもあります。

二次性頭痛の根本的な原因とは?

下記に挙げたもののように、検査での異常が、頭痛の根本的な原因を示している場合があります。

熱がある場合

熱がある場合、副鼻腔炎のような、感染病の可能性があります。頭痛、斜頸、吐き気や嘔吐を伴う発熱の場合には、髄膜炎の可能性があります。

突然の頭痛の場合

頭痛持ちではないのに、突然頭痛が始まった場合、いつもの頭痛のパターンに劇的な変化がある場合、何らかの病気による頭痛の可能性が考えられます。

身体活動に伴う場合

運動、性行為、咳や体の屈曲運動など、何らかの身体活動に伴って頭痛が起こる場合があります。通常、このような頭痛が、深刻な病気に起因することは少ないですが、時折、動脈瘤(脳の血管の壁の一部が膨張する)と関連があるケースがあります。

筋肉の緊張や反射の異常の場合

会話、目の動き、歩行、筋肉の協調や反射に異常が見られる場合、頭蓋内疾患が原因になっている可能性があります。

視力に影響がある場合

視力検査の結果に異常が見られる場合には、頭蓋骨内部の圧力が増加などによる頭痛の可能性があります。

高血圧、関節炎がある場合

高血圧や、関節炎などの自己免疫疾患の可能性を示唆する検査結果が出た場合も、疾患によるものと考えられます。

55歳以降に発症した場合

55歳以降で頭痛を発症した場合には、側頭動脈炎という病気の可能性があります。早期に治療しないと、失明する危険性があります。

二次性頭痛の画像検査とは?

二次性頭痛が疑われる場合、MRI、MRA、CTスキャンのような画像検査を行い、動脈瘤や脳腫瘍といった根本的な器質的原因の有無を確認します。さらに、従来の治療を行っているにもかかわらず、頭痛の症状が悪化する場合も、画像検査が行われます。

頭痛の痛みの由来を知るには?

頭痛患者の大半が、神経学的検査によって異常なしと診断されます。検査終了後の次のステップは、頭の痛みがどの部分の問題から起こっているのかを突き止めることです。

方法のひとつに、「集学的」治療法があげられます。頭や首の構造は複雑ですが、頭や首の部位すべてが、頭痛の発生に関連する可能性があります。しかし、構造が複雑なため、診断を下すために必要な知識を1人で全て持ち合わせている臨床医が少ない傾向にあります。そのため、頭痛治療を専門とする医師からの助言を組み合わせ、総合的な情報として統合することで、全ての要因に対処できるチームとしてまとまった治療計画を立てることが可能になります。

おわりに:頭痛を治すためにはまずは検査を

今まで見てきたように、頭痛には原因がわかっているものもいないものもあります。原因のわかるものは、その根本となる疾患の治療が必要です。きめ細かい検査をして、その原因を突き止めることが頭痛を治すための近道になります。

次回は、頭痛を治すための治療法や薬についてお伝えします。

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頭痛を治すための治療法や薬にはどんなものがある?

頭痛を治すために!? 頭痛の予防的治療とは?②


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