記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/10
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
多くの食中毒は、食品の不適切な調理や保存方法によって引き起こされます。家庭での食中毒を未然に予防するために、食品の正しい取り扱い方を知っておきましょう。
生鮮食品などの冷蔵や冷凍の必要な食品は、購入後なるべく早く冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。常温で保存すると細菌やウイルスはあっという間に増殖していきますが、10℃でその増殖はゆっくりになり、-15℃で増殖が停止するということがわかっています。10℃以下の冷蔵庫、-15℃以下の冷凍庫で食品を保存してください。
ただし、冷蔵庫や冷凍庫を詰めすぎると保冷効果が薄れるので、7割程度の詰め方にしましょう。また、冷やしても細菌は死滅するわけではないので、冷蔵(冷凍)後は早めに消費するようにしてください。
なお、他の食品への二次感染予防の観点から、生肉や生魚は密閉された個別の容器に入れ、冷蔵庫の一番下の段で保存することをおすすめします。
食中毒菌は、調理時に広がってしまうケースも少なくありません。調理中は以下の点に注意しましょう。
生肉や魚を切った後、その包丁やまな板を洗わないまま、果物や野菜などの生で食べる食品や調理の終わった食品を切ると、これらの食品が細菌に感染する恐れがあります(二次感染)。包丁やまな板などの調理器具は、洗った後に熱湯をかけてから、使うようにしてください。包丁やまな板を肉用、魚用、野菜用と別々に使い分けるとさらに安全です。
食中毒を引き起こす細菌は、生肉だけでなく野菜や果物にも付着している場合があります。野菜や果物はよく洗ってから食べるようにしましょう。なお、基本的に食中毒菌は加熱することによって死滅するので、生肉は洗ってはいけません。台所周りに細菌が飛び散る恐れがあるからです。
食中毒を予防するためには、調理するときに手や指をしっかり洗うことが非常に大切です。せっけんで洗った後、水で十分に洗い流してください。
食中毒菌がいたとしても、十分な加熱調理を行うことで細菌を死滅させることができます。加熱調理が必要な食品は、75℃以上の温度(中心部)で1分以上加熱するようにしてください。冷蔵庫にしまっていた食品を再び加熱する際も同様です。加熱後はきちんと火が通っているかどうか、竹串などで確認しましょう。
電子レンジで加熱する際はレンジ用の容器やふたを使い、調理時間に気をつけ、熱の伝わりにくいものはときどきかき混ぜるようにしてください。
基本的に、食中毒菌は常温で保存すると増殖する傾向にあります。食品は冷蔵庫や冷凍庫で保存するようにしてください。残り物はなるべく2時間以内に冷まし、冷蔵庫で保存するのがベストです。なお、調理済みの食品は、室温と同じくらいの温度まで冷ましてから冷蔵庫に入れることをおすすめします。また、冷蔵保存後2日以内に食べるようにしましょう。
ピクニックやキャンプでは、生焼けの肉を食べてしまったり、手を洗わずに生肉を調理する機会が増えます。調理前は除菌シートなどで必ず手を拭き、肉を加熱する際は火の通りを必ず確認しましょう。
また、細菌は暖かいところでどんどん増殖していくので、暑い日にピクニックをしたり、お弁当を持ち運んだりする場合は、保冷材を入れた保冷パックに食品を入れ、取り出したらすぐに食べるようにしてください。
食品を常温で放置していたり、調理器具を使いまわしてしまったり、加熱が不十分だったりすると食中毒に感染するリスクが増大してしまいます。ご家族の健康を守るためにも、食品の適切な保存&調理を心がけましょう。
【出典: 厚生労働省ホームページを編集して作成 http://www1.mhlw.go.jp/houdou/0903/h0331-1.html】