子供の様子がおかしい…。学校は休ませる?それとも行かせる?

2017/3/9 記事改定日: 2019/8/22
記事改定回数:2回

佐藤 典宏 先生

記事監修医師

産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

二宮 英樹 先生

記事監修医師

東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック

二宮 英樹 先生

子どもの顔色が悪いときや持病があるとき、学校に行かせても大丈夫か判断するのはなかなか難しいことと思います。そんなときは、保護者と学校との連携が欠かせません。

今回の記事では、登校させるかどうかの判断基準や学校との連携方法についてご紹介します。

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一時的な体調不良の場合

持病ではなく、一時的な体調不良の場合は、以下のような対処法をとりましょう。

客観的に判断する

以下の観点から子供の体調を確認し、学校を休むべきかどうかを判断しましょう。

  • その日、元気に学校生活を送れそうか
  • 他の子どもにうつしてしまうような感染症ではないか
  • 普段、自分から休みたいと言わず、無理をしがちか

これらを考慮したうえで、休んだほうがよいと判断した場合は学校に休みの連絡を入れましょう。

具体的な症状で判断する

学校を休むべきか判断するときには、以下の点も着目してください。

咳や風邪
軽度の咳や風邪の場合は学校に通っても大丈夫ですが、熱が上がったり、強い寒気がある場合は、学校を休ませて病院で治療を受けてください。なお、咳が長く(3週間以上)続いている場合も医師の診察を受けてください。
熱の上昇
特に発熱とともに、寒気や体が震えているようなときは休ませてください。
発疹
皮膚の発疹は、水痘(水ぼうそう)や麻疹(はしか)など、ほかの子供にうつりやすい感染症の可能性があります。学校に行かせる前に、必ず医師の診察を受けましょう。
頭痛
片頭痛や緊張性頭痛を抱えている子供も少なくありません。頭痛は見た目では分からない症状ですので、頻度が多い場合や症状が重い場合は、子どもの頭痛をよく診ている医師に相談してみてください。
また、頭痛だけでなく、嘔吐を繰り返す場合や意識が悪い場合、手足の麻痺がある場合、ふらついて転びそうな場合は重い病気が隠れている可能性があります。そのようなときは、すぐに医療機関を受診してください。
嘔吐と下痢
子供の嘔吐と下痢の原因の多くは胃腸炎です。ほとんどの場合は治療を受けなくても良くなりますが、水分を摂取できずに脱水になってそうな場合や、何日も症状が続く場合は医師に相談してください。
喉の痛み
喉の痛みだけの場合は休ませる必要はありませんが、飲み込むときの痛みが強くて水も飲めないような場合、唾を飲み込めなくてよだれを垂らしているような場合、息苦しいような場合はすぐに医療機関を受診してください。

学校を休ませる場合は、その日に学校に電話をし、子供を休ませることを伝えてください。どんな症状か、どれくらいの間休むのかを聞かれることもあります。また想定よりも長く休む場合も、なるべく早く学校に連絡してください。

持病で休む場合

持病を持つ子供の場合の対応を以下にまとめます。

学校と相談する

子供が喘息や糖尿病などの長期的な病気を抱えている場合は、子供の健康状態の管理方法について学校と相談してください。学校には、持病を持つすべての子どもが学校で適切なサポートを受け、遠足や体育などの授業を普通に受けられるようにすることが法律上義務付けられています。

学校に相談すべき持病の例

  • 糖尿病
  • 気管支喘息
  • てんかん
  • アレルギー(特にアナフィラキシーを起こした事がある場合)

こうした持病がある場合、担任の先生を始め、お子さんと関わる先生方もその病気に関する知識を知っておくことが欠かせません。先生に相談して、症状があらわれた時の治療、対処法について確認しておきましょう。

医師にも相談する

学校で取らなければならない対応について、必要に応じて医師にも相談してください。

  • 学校に薬を持っていくべきか
  • 先生に緊急時の対応を伝えておいたほうがよいか
  • 薬の副作用はあるか
  • どんな症状が出たら要注意か
  • 発作が起きたときにしてはならないことはあるか
  • 食事で気をつけること
  • 定期的に学校を休む必要があるか

場合によっては、日中の服用ではなく、通学前や放課後に服用できる薬の処方も可能かもしれません。もしくは、学校の関与を最小限に抑えながら、子供の健康状態が効果的に管理できることがベストかもしれません。

学校からのサポート内容

子供の安全を確保するため、学校は以下の準備を整えています。

  • 学校でどのように薬を管理し、投与するか(薬を投与する職員は、十分に訓練を受けている必要がある)
  • 課外授業で薬をどのように管理し、投与するか
  • 緊急時、学校は誰に連絡すべきか
  • 特別な食事の対応は必要か
  • 体育や遠足などでのサポートは必要か

おわりに:子供が安心して通学できるよう、先生方と密に連絡を

  • 子供が元気に学校生活を送ってもらうためには、保護者として子どもの健康状態を正確に把握すること、学校にきちんと伝えることが大切
  • 学校や主治医の先生と密に連絡を取りながら、子供が快適に過ごせる環境を整えてあげよう

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