パソコン頭痛の対処法 ~ 医師の診察が必要な症状とは ~

2017/8/10

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

頭痛が起こる原因はさまざまですが、パソコンの使用が原因の場合も少なくありません。今回はパソコン使用時の頭痛の対処法をご紹介します。

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パソコンが原因の頭痛の対処法

パソコンの使用で頭痛が起こる人は少なくありません。特にオフィスワーカーで、頻繁に、長時間パソコンを使用する人に顕著にみられます。以下の対処をすることで、パソコンの使いすぎによる頭痛の緩和ができる可能性があります。

モニターを体の正面に置く

モニターは体の正面に置きましょう。モニターが中心から外れていると(体の右や左に置くと)、画面を見るために体をひねったり変な姿勢で座ったりする必要が出てくるので、首や肩に痛みが生じ、頭痛につながるおそれがあります。

画面との距離は腕の長さくらい

画面との距離は、椅子に深く腰掛けたところから腕の長さくらいの距離が適度な距離とされています。画面に近過ぎても遠過ぎても目が疲れてしまいます。ただし、大きなモニター(20インチ以上)を使っている場合は、もう少し下がって座った方が良いでしょう。

目の高さは画面の一番上と同じ高さ

椅子の高さを調整するなどして、画面の上辺が目の高さと同じくらいになるようにセッティングしましょう。画面が低すぎると、画面を見るために頭を前に傾けなければならなくなり、首の痛みを引き起こしてしまいます。画面が高すぎると、頭を後ろに傾けなければならなくなり、首や肩の痛みを引き起こすだけでなく、頭上の蛍光灯などの明るい光が目に入ってしまいます(これもよくある頭痛の原因です)。

モニターを少し上向きに傾ける

画面全体をクリアに見れるようにするために、画面の上よりも下の方が自分に近くなるようにしましょう。頭上からの光を減らさなければ画面を見れない場合や、画面が高過ぎるけどこれ以上下げることができない場合以外は、画面を下に傾けるのはおすすめできません。ただし、上向きに傾け過ぎてしまうと、頭上の明るい光が画面に反射して頭痛を引き起こす可能性があるので注意しましょう。

窓からの光に気をつける

窓から入ってくる明るい光や反射光が画面に反射して目を細める必要があるときは、対策が必要です。その光が窓からの光の反射と判断するために、モニターの電源を切ってみましょう。電源を切っても光が残っていたら、光が反射している証拠です。また、大きな窓の近くにモニターを置くと、明るくなりすぎて画面が見にくくなることがあります。

画面の明るさと周囲の明るさのバランスをとる

画面の明るさと周囲の明るさはだいたい同じくらいに設定しましょう。職場を適切な明るさにすることは当然のことです。明るさにばらつきがあると目が疲れたり目を細めなくてはならなくなるだけではなく、頭痛になってしまうことがあります。職場が自然の光を利用しているのなら、部屋の明るさの変化に合わせて画面の明るさを調整する必要があるかもしれません。

フォントサイズやフォントカラーを調整する

フォントサイズは、判読可能なサイズの2倍から3倍に設定しましょう。また、文字をタイプしているときは白のバックグラウンドに黒のフォントが見やすいです。

医師の診察を受けるべき頭痛の症状

頭痛は深刻な病の症状であるかもしれないということを心に留めておきましょう。頭痛が以下の症状と一緒に起こっていて、医師に相談したことがない場合は医師の診察を受けましょう。
・混乱
・めまい
・熱
・嘔吐が続く
・感覚がなくなる
・息切れ
・言語不明瞭
・項部硬直
・耳、鼻、のど、目などに原因不明の症状が出る
・激しい下痢
・視覚障害
・衰弱
・頭痛がなかなかおさまらず、悪化している
・頭痛が普段の日常生活を妨害する
・週に2回以上頭痛薬を服用している
・市販の頭痛薬を購入したが使用量が推奨されている量とは異なる、または推奨されている量では足りない
・咳、くしゃみ、身をかがめること、運動、性行為が頭痛を引き起こしている
・頭の怪我など、外部の損傷後から頭痛がしている
・頭痛の性質が変化した
・偏頭痛の症状が変化した
頭痛になる頻度が高い場合や、痛みがとても強い、あるいは突然頭痛が始まる場合も医師の診察を受けることをおすすめします

おわりに:長時間のパソコン作業時は頭痛対策を

最近頭痛を感じている人で、もし長時間パソコンを使用しているのであれば、それが原因かもしれません。今回ご紹介した対処法を試してみることをおすすめします。また、ほとんどの人は、それほど頻繁に頭痛が起こるわけではありませんが、全体の約15%が医師の診察を受ける必要があるほどの頭痛を持っているといわれています。上記をチェックして、当てはまる項目がある場合は医師に相談しましょう。

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