記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/10
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
難聴とは一般的に聴覚障害とも呼ばれ、さまざまな種類や原因がある疾患です。今回の記事では、子供の難聴のことを中心に、難聴の症状や原因について詳しく解説します。
難聴とは、可聴域が通常とは異なりますが、聞こえる音域(特に補聴器で補助される音域)がある程度保たれている状態です。また、完全に耳が聞こえない状態を「ろう」といいます。人の難聴度合いは周波数とデシベルの両方の範囲を示す聴力図でグラフ化され、度合いによって以下のようにレベル分けされています。
・軽度難聴
・中等度難聴
・高度難聴
・重度難聴
・聴覚喪失
多くの人が歳とともに難聴になります。本当に年齢のせいで難聴になっているケースも多いのですが、他にもさまざまな原因があります。難聴は耳のどの部分が原因であるかによって伝音性難聴と感音性難聴に分けられます。伝音性難聴と感音性難聴の2つの難聴が組み合わさった場合混合性難聴と言います。
正しい治療には、どのタイプの難聴なのかを判別することが必要です。
伝音性難聴を引き起こす可能性のある要因は以下のとおりです。
・中耳炎
・耳小骨の骨折
・鼓膜穿孔
・外耳変形
・耳硬化症
・耳垢
子供の伝音性難聴の代表的な原因を以下に解説します。
耳垢などのゴミが耳の中に蓄積していくことで伝音性難聴が引き起こされることがあります。こうしたゴミが難聴の原因になっていると判明した場合であれば、速やかな改善が可能です。合併症がなければ、ゴミを取り除くことで聴覚は完全に取り戻すことができます。
中耳における感染症は、特に子供によくある疾患です。重度の中耳炎は痛みが強く、早期の治療が重要であり、治療が遅れると鼓膜穿孔になるリスクもあります。健全な鼓膜なら、普通、穿孔は瘢痕組織で勝手に閉じて治りますが、何度も中耳炎になり瘢痕組織が蓄積されていると、難治性の伝音性難聴になってしまう可能性があります。
感音性難聴を引き起こす可能性のある要因は以下のとおりです。
・老化
・遺伝
・病気
・先天性の症状
・音響性外傷
子供の感音性難聴の代表的な原因を以下に解説します。
遺伝性疾患、妊娠中の感染や薬剤投与歴、母親の妊娠中あるいは妊娠前の病気、職業病などが妊婦に影響を及ぼしてしまったことが原因になっている場合もあります。
うるさい騒音を継続的に聞いていたり、花火やおもちゃの銃など、突発的な激しい音を聞いたりすることで感音性難聴になる可能性があります。
麻疹、流行性耳下腺炎、髄膜炎、あるいは百日咳のような特定の感染症が深刻な場合、さまざまなレベルの感音性難聴になってしまう可能性があります。
難聴は日常の生活に気をつけることでリスクを軽減することもできます。耳栓を持ち歩いたり、ヘッドホンで大音量の音楽を聴かないなど対策をとりましょう。