妊娠糖尿病を発症したときの血糖値管理 ~ 血糖値の測り方 ~

2017/8/14

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

妊娠糖尿病になった場合に知っておくべきことは、「血糖値が目標としている範囲に収まっているかどうか」です。ここでは、妊婦が自宅で血糖値を測るためのやり方や記録方法などを解説します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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血糖値を測る重要性とは?


血糖値は、家庭用の血糖値計を使うことによって、いつでもどこでも測ることができます。
また、血糖値を測ることには以下のような意味があります。

・血糖値を知ることによって、低血糖や高血糖など、急を要する状態になる前に治療することができます。
・血糖値を知ることによって、運動や食べ物がどのように血糖値に影響しているか、どれくらいのインスリンを投与するべきか(インスリン投与を行っている場合)について、正しく把握することができます。
・血糖値を測ることによって、妊娠中の糖尿病を、より自分がコントロールできていると感じられるようになります。

血糖値の測り方


ここでは、家庭で血糖値をチェックする簡単な方法をご紹介します。

準備をする

血糖値を測り始める前に、以下のようなことをしましょう。

・いつ、どのくらいの頻度で測るべきか、医者と相談しましょう。また、血糖値を測定したら、記録しておきましょう。
・血糖値を測る行為と、「朝食を作った直後」「午後にウォーキングをした直後」など、他の日常的な活動と結びつけましょう。これによって、測定を習慣化するのが容易になります。
・血糖値を測るために必要なものをまとめておきましょう。必要なものをまとめておけば、必要なときに素早く測定することができます。
・測定する前には、毎回器具をチェックしましょう。
・試験紙の使用期限をチェックしましょう。期限の切れている試験紙を使った場合、正確な結果は得られないかもしれません。
・ほとんどのメーカーは、初めてその血糖値計を使うときや新しい試験紙の瓶を開けるとき、血糖値計の結果の正確性を調べる必要があるときには、血糖コントロール液を使うことを推奨しています。コントロール液を使う際には、血糖値計に付属している説明書に従いましょう。
・器具はしっかり管理しましょう。血糖値を測るために必要なものが書かれているもののコピーをとり、鞄や測定キットの中に入れ、忘れないようにしましょう。

測定する

血糖値を測る頻度が多いほど、治療が効果的であるかどうかに関する、より多くの情報を得ることができます。

血糖値を測る時は、以下のステップに従いましょう。

1.温かいお湯と石鹸で手を洗い、清潔なタオルで拭いてよく乾かしましょう。
2.清潔な針(ランセット)をランセットデバイスの中に入れましょう。ランセットデバイスとは、ランセットを支えるためのペンくらいの大きさの器具です。ランセットを支えて固定し、針が皮膚のどのくらいの深さまで刺さるかをコントロールします。
3.試験紙の入った瓶から試験紙を取り出します。瓶のふたはすぐ閉め、残っている試験紙が湿気の影響を受けないようにします。
4.メーカーの説明に従いながら、血糖値計の準備をしましょう。
5.ランセットデバイスを使って、指先のわきの方にランセットを刺します。前腕や脚、手など、体のほかの場所の血液を使って測ることができる血糖値計もあります。自分の持っている器具が体のどの部分で使えるものなのか確認しておきましょう。
6.試験紙の正しい位置に、測定するための部分がしっかり覆えるように血液を垂らします。
7.清潔な綿ボールを使って、指先(あるいは別の場所)の針を刺した部分を圧迫して止血します。
8.結果を待ちましょう。ほんの数秒で結果を得られる器具もあります。

結果を記録する

血糖値の結果を記録することは、とても大切です。医者はこの結果を、治療の効果を観察するため、あるいは何か変更する必要があるかどうか、そしてインスリンを投与する必要かあるかどうかを知るために使います。
医者や糖尿病療養指導士の診察を受けるときには、毎回この記録を持っていくようにしましょう。

結果を記録しておく方法としては、以下のようなものがあります。

・血糖値日記をつけましょう。運動や食べたものなど、他の情報も記録しておくことができます。
・血糖値計のデータ記憶用メモリ機能や、その他のメモ機能を使いましょう。

おわりに:目標血糖値を把握しておきましょう

糖尿病と聞くと、一瞬、怖い気もしますが、妊娠糖尿病は誰でも発症する可能性のある病気です。いつでも血糖値計を自分で使えるようにしておきましょう。そして、医師とコミュニケーションを密にとり、自分にとって目標となる血糖値の数字を把握しておきましょう。

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