記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/2/2
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
肥満の子どもは、大人になっても肥満である傾向があり、2型糖尿病や心臓病および特定のがんなどの病気の危険性が高まります。将来の肥満から子どもを守るためにできることはたくさんあります。
健康的な体重を取り戻した子どもたちは、より健康で、勉強の能力が高く、自信がつくことがわかっています。また、太っていることでいじめを受けることもなくなるでしょう。
ここでは、親にできる肥満児改善計画を紹介します。
まず子どもに、自分の体重についてどう思っているかを聞いてください。肥満児は、自分の体重に問題があることをよく知っています。
サポートが欲しい、体重をきちんとコントロールしたいと感じていることもあります。
そして子どもに、どんな体重でも愛していること、健康で幸せになってほしいといつも願っていることを伝えましょう。
食生活を変えるには、家族全員で変えるほうが容易に受け入れられるでしょう。
毎日の食卓に、食物繊維とビタミンとミネラルが豊富な5つ以上の果物や野菜を摂り入れることです。
5種類といってもそれほど難しいものではありません。生でも缶詰でも、冷凍でも乾燥品でもいいんです。ジュース、スムージー、豆類も1つとカウントされますが、100%果汁、野菜ジュース、スムージーは、1種類にしかならないことに注意してください(果物ジュースとスムージーをコップ1杯分ずつ飲んでも1種類となります)。
フルーツジュース、野菜ジュース、スムージーなどの飲み物は、1日に150mL(小さなコップ1杯)を超えないようにします。なぜなら、果物をジュースにすることで果糖が放出されて虫歯のリスクが高まります。フルーツジュースやスムージーは食事のときに飲むのがいいでしょう。
お菓子、ケーキ、ビスケット、甘いシリアル、加糖の発泡飲料のような糖分や脂肪分の高い食べ物は控えましょう。これらはカロリーが高いだけで、栄養分は少ないです。
米、パン、ジャガイモ、パスタなどの炭水化物(全粒粉が望ましい)と果物や野菜から栄養を摂りましょう。そして甘い飲み物よりは、水がいいでしょう。
子どもに過剰な食事は必要ありません。まずは少なめに盛って、まだ足りないならおかわりするようにさせましょう。食べたい量以上に食べるのをやめさせましょう。
盛りすぎや一緒盛りは、食べ過ぎにつながります。大人と同じ皿を使うのもやめ、一人ひとりの分量がわかる配膳をしてください。
また、高カロリー食品に注意しましょう。食品中に含まれるカロリー(エネルギー量)をみて子どもが何カロリー摂取しているのかを知ることは、運動で消費するエネルギー量とのバランスをとるうえで重要です。
子どもに健康によい習慣を教え込む一番の方法は、親がお手本になることです。
子どもたちはお手本をみて学びます。子どもの食生活を改善させたければ、親が率先して行うことです。子どもは親の背中をみて育ちます。肥満児改善計画は、親の改善計画でもあります。