記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/9
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
トイレでなかなか便が出ず苦しくなったり、日常的にお腹が張ったり、そんな「便秘」でお悩みの方は女性に特に多いといわれています。そんなつらい便秘を、自力で解消させることはできるのでしょうか?おすすめのセルフケアをご紹介していきます。
ほとんどの便秘は病気によって引き起こされるものではなく、食物繊維の不足や、水分不足、運動不足、排便の我慢などが原因と考えられています。事実、薬による治療をしなくても、食事や生活習慣を改善させるだけで多くの便秘は解消される傾向にあります。
消化を良くするためには、食物繊維をたくさん摂取することが欠かせません。食物繊維は便を柔らかくし、腸の中で動きやすくしてくれます。逆に食事に十分な食物繊維が含まれていないと、便は乾いて硬くなり、便秘を引き起こしてしまいます。
食物繊維を豊富に含む食べ物は、野菜、果物、豆類、全粒穀物、玄米などです。白米を玄米に置き換えたり、サラダに豆を加えたりして、なるべく多く食物繊維を摂取することを心がけましょう。ただし、いきなり摂取量を増やすと腹部の膨満感を引き起こす恐れがあるので、1週間ほどかけて徐々に増やすようにしてください。また、食物繊維を摂取する際はたくさん水を飲むことも大切です。水は腸内の食物繊維を膨張させ、排便を促す効果があります(カフェインやアルコールは体内の水分を排出させる作用があるため、便を乾燥させてしまう可能性があるので控えましょう)。
なお、揚げ物や脂肪分の多い食べ物は、なるべく摂取しないことが望ましいです。脂肪分の多い食べ物は消化に時間がかかるため、腸内を通る間に水が過剰に抜かれて便が硬く乾燥し、便秘が悪化する恐れがあります。
日常生活の中で、食事以外にも気をつけるべきことがあります。まず、便意を我慢しないことです。「公共のトイレは汚くて使いたくない」「職業上なかなかトイレに行くタイミングがない」など我慢の理由はさまざまですが、便を長時間留めておくと便意に鈍くなったり、便が乾燥したりして、ますます便秘が悪化してしまう可能性があります。便意を感じたらなるべく早くトイレに行くようにしましょう。
また、便秘を解消するために非常に大切なのが、定期的な運動習慣をつけることです。運動によって消化器系の筋肉が働き、便がスムーズに排出されやすくなります。おすすめの運動法については、次で解説していきます。
便秘の解消におすすめの運動方法は、早足でのウォーキング、サイクリング、水泳、エアロビなどです。これらの運動はいずれも腸への血流を増やし、腸を蠕動(ぜんどう)させる効果があります。
たいていの便秘は、食物繊維の摂取や定期的な運動といった日常生活の改善によって解消されます。もしこれらの方法を試しても便秘が解消されない場合は、病院を受診のうえ、薬の服用を検討することをおすすめします。