かゆみ、痛み、発熱、倦怠感…つらい乾癬とともに生きる・その二

2017/2/2

佐藤 典宏 先生

記事監修医師

産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

俳優、作家、コメディアンとイギリスでマルチな才能を発揮するトビー・ハドケ。

そんなトビーの乾癬の体験記を紹介しましたが、もう一人の乾癬患者、ロス・フォアマンのケースを紹介させてください。

「乾癬を遺伝で子どもにうつすことを、とても心配しました」

インタビュー時、56歳のロス・フォアマンもまた、小児期から重度の乾癬を経験しています。

その過程はどんなものだったか、フォアマンが、自身の乾癬について話をしてくれます。

乾癬を持つ「奇妙」な子ども

「学校に通学する時、いつものようにスキップしていたら、転んで膝と肘をすりむいて。それで、擦り傷ができたんですけど、治らなかったんですね。
足と腕にヘンな模様が出てくるし。しばらく放っておいたんですけど、親に病院に連れて行かれて、“乾癬です”って診断されたんです。9歳でした。
診断結果を聞いてもは驚きはなかったですよ。家系で遺伝していたので。叔母さんと叔父さんが乾癬で、それで、叔父さんのほうはかなり深刻で、定期的に入院していました。

それに、乾癬は喘息とも強い関係があるらしいんですけど、家族には喘息持ちの兄がいまして、その兄は13歳の時、重度の喘息発作の後に亡くなったんです。
何か因果があるんですかね、自分が乾癬になった年の出来事です。乾癬を抱えながら成長することは苦痛でしたよ。しょうがないんですけど、奇妙な子供に見られて。見世物になったみたい。

それで、子どもの頃は、とにかく恥ずかしがり屋でした。 もちろん、いろんな病院に行って、いろんな種類のローションや薬を試しました。あんまり効き目はなかったですけどね。」

日光が乾癬の症状の改善に役立った!

「20代前半だったかなあ、夫の仕事の都合で、カリフォルニアの南部に引越したんですが、あれはほんとにいい思い出。

半年くらい経ったら、乾癬が、目に見えて減っていったんです!いつも晴れていて、暖かくて、乾燥している気候が良かったんでしょうか。

ショートパンツやTシャツで外を歩いているうちに良くなったんですよ。 でもまあ、7年後、またイギリスに戻って元通り。乾癬が再発して、ひどくなって、それ以来、ずっと乾癬のまま。

UV光線療法を受けていますが、いまいちかな。メトトレキサートっていう経口治療も受けています。“症状を確実に抑制する”って言うんだけど、年齢とともに悪化しているような気もしますね。まあ、その年齢のせいかもしれないけど(苦笑)」

乾癬と妊娠

乾癬を抱えながら生活し、治療を受け続けるという身体的、金銭的な困難に加え、病気は、彼女を心底落ち込ませたと言います。

「時々、家に閉じこもって、暗く沈むんです。自分が嫌になって。 乾癬のせいで、あきらめたことだっていっぱいあります。
CAになりたかったけど、この肌で採用されるわけもないし。 遺伝で乾癬をうつすリスクもあるので、子どもを生むことは本当に躊躇しました。
子どもにだけは、この病気をうつしたくないし、同じ思いをさせたくなかったんです。だから、10年間妊娠は避けました。
ありがたいことに、今、3人の息子がいます。
皮肉なことに、妊娠中、乾癬の状態は良くなったんですよ(苦笑)。」

保湿剤と食事

現在、彼女は、薬に加え、毎日のスキンケアを欠かさないと言います。食事にも気を配っています。

「保湿クリームを毎日、朝、昼、夜に全身に塗ります。時間がかかって面倒だけど、やらないともうひどいことになるし。
食生活では、オレンジジュースのような酸性飲料は避けますね。飲むと症状が悪化するから。季節でもだいぶ変わりますよ。春と夏は、肌の調子はいいんです。夏服は、肌の手入れもラクで、肌の調子もよくなります。
でも、冬は、最悪。寒くて重ね着すると、肌がすぐに乾燥して、常に潤いをあたえなければならなくなります。本当に手間と時間がかかります。」

おわりに ~つらい乾癬とともに生きる・その二~

乾癬は遺伝するといわれ、親が乾癬の場合、その子どもが乾癬を発症する率は、欧米では20~40%あると言われます。
しかし、人種の違い、生活環境の違いからか、日本では4~5%程度です。
乾癬が発症する原因は、いまだ明確には判明していません。乾癬の遺伝に加え、食生活、気候、ストレスなどの外的要因、糖尿病や高血圧など他の病気の要因が複雑に絡んで発症すると考えられています。
乾癬の発症で重要なのは、遺伝に加え、悪い生活習慣やストレス、感染症などです。規則正しい生活を送るよう心がけてください。

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