健康を脅かす血糖値とは ~ 糖尿病高齢者の血糖値管理のポイント②

2017/8/16

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

前回の記事では、糖尿病高齢者の血糖値管理のポイントを挙げました。

2回目となる今回の記事でも、薬や食事の管理についてのポイントを詳しくお伝えします。

血糖値の管理とは:薬の管理

食事の計画や、その他の糖尿病関連のしなければならないことを続けながら、薬を服用し続けるのは難しいかもしれません。

糖尿病の服薬管理には、
・服用した薬の名前とその用途を全てリストにする
・処方箋から薬を買う薬局は一箇所にする(記録を統一できる)
・薬を整理するための箱などを使って薬を管理する(毎日服用したのか、そうでないのかを思い出すのに役立つ)
・携帯電話などのアラーム、タイマーなどを使って薬を服用する時間を思い出せるようにする(リマインド機能)

血糖値の管理とは:健康的な食品

糖尿病の治療薬は、糖尿病の血糖値を管理し続けるために大きな役割を担っています。しかし、健康的な血糖値を保つための基盤は、健康的な食べ物です。

食欲は、加齢とともに変わるかもしれませんが、食事のバランスを保つことはできるでしょう。

献立を考えるときのアドバイス

献立を考えるときは精製糖は避けましょう。また、糖質制限も必要です。

次に挙げたことは、血糖値をコントロールするために役立ちます。
・ブロッコリー、緑の野菜、ニンジンなどの非デンプン性の野菜で皿の半分を一杯にしましょう
・皿の4分の1を全粒粉の麺、玄米、サツマイモなどの全粒穀物もしくはデンプン性の野菜にしましょう
・皿の4分の1を肉、卵、魚などのタンパク質にしましょう
・スキムミルクなどの乳製品を約230gとカップ半分の果物で健康的な食事を摂ることができます

血糖値の管理とは:毎日の運動

運動は、健康の向上に大いに役立ちます。
定期的な運動をすることで、
・柔軟性を保つ
・血流を促進させる
・体内のバランスを保つのに役立つ
・骨と筋肉を強くする
・ストレスを発散し、血糖値を上昇させる
などの効果が期待できます。

体重をコントロールするためのアドバイス

活動的であることも、体重を軽くすることに役立ちます。健康的な体重であれば、血糖値も望ましい値の範囲を推移します。

運動は、1日に30分、週に5日かそれ以上行う事を目標にします。ウォーキングは心拍数を上げ健康を保つのに優れた運動です。

おすすめの運動を次に挙げます。

・ウォーキング
・ヨガや太極拳
・庭を掘ったり植物を植えたりするなど日中の活動度を自然に高めるようなこと
・スイミングや水中エアロビクスを行う

糖尿病の高齢者が気をつけること

歳をとるにつれて、体の出す警告に気をつけることが必要になります。

糖尿病が進行すると、体の様々な血管に動脈硬化が起こり、気づかないうちに様々な臓器が障害されます。小さなサインであっても「より大きな問題」が体内で進行しているという兆候の可能性があるのです。

よくあるサインについて、次に挙げます。
・長期間治まらない足の痛み、痺れは足の細い動脈が糖尿病によって血流が悪くなっている可能性がある
・震えたり、汗を多くかいたり、いらいらしたり、あるいは錯乱をしたりする症状は低血糖のサインの可能性がある
・転倒時の骨折は、骨粗しょう症の可能性がある

おわりに:血糖値とは健康を脅かす疾患を予防するカギ

今回見てきた血糖値をコントロールする方法は、糖尿病患者だけでなく、糖尿病予備軍や一般の人の健康維持にも役立つ方法です。記事中に挙げた食事や運動のアドバイスをぜひ試してみましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

糖尿病(273) 血糖値(78) 血糖値管理(9) 血糖値とは(3)