記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
糖尿病の人は、血糖値が高すぎても低すぎても体に異変が起こります。特に、年齢が上がると血糖値管理が難しくなり、糖尿病予備軍と言われている人も血糖値には気を使うでしょう。この記事では、血糖値を管理するポイントについてまとめています。
2型糖尿病の症状を抑え、合併症を予防する最良の方法は、継続して血糖値をチェックすることです。ただし、高齢者になるとグルコースとインスリンを制御する方法が変わる場合があります。糖尿病の血糖値管理方法を見直すよい機会かもしれません。
加齢は糖尿病の管理に影響を及ぼす可能性があります。
加齢の影響で糖尿病患者が直面する可能性のある障壁には、以下のものがあります。
・精神力の低下や記憶の喪失で、献立を考えたり薬を服用するのを忘れたりする
・体の変化により、以前のように薬が効かなくなる
・視力に問題が生じることから、血糖値を測り間違えたり、間違った量のインスリンを服用してしまう
・加齢による他の病気で服用している薬が糖尿病の薬と反応し、その効果に影響が出る
高齢になったら、専門家に協力を仰ぎ、「自分の体の変化にあわせた計画」を立てることが、健康的な生活を送るうえで大変重要になります。
糖尿病と上手く付き合いながら生活することを助けてくれる、糖尿病に関連する医療の専門家には、以下のような人がいます。
・看護師
・栄養士
・薬剤師
・眼科医
・歯科医 など
糖尿病を診てもらっているかかりつけの医師に相談すると、上記の専門家を紹介してもらえるでしょう。
加齢や糖尿病では、うつ病になる人が多く見られます。うつ病のリスクは、糖尿病によっても加齢によっても上昇します。
プロの臨床心理士や心療内科の医師に話すか、友人や家族に助けを求めましょう。前向きに考えられるように助けてくれます。
血糖値のチェックの仕方を学びましょう。
医師に理想の数値を聞くことで、現在の血糖値が高いか低いか判断できるでしょう。
最低でも年に2回、血糖値の数値を示すHbA1cを測定する血液検査を行いましょう。直近3か月の平均的な血糖値が分かります。
また、糖尿病は、心臓発作と脳卒中を発症するリスクを上げてしまいます。次に挙げた数値も一緒に記録しておきましょう。
・血圧
・コレステロール値
低血糖を防ぐことは、血糖値が上がりすぎるのを抑えるのと同じくらい重要です。
低血糖は、アルツハイマー病や、その他の認知症になるリスクを2倍に上げます。記憶力や論理的に考える力が不足すると、糖尿病の血糖値の管理ができなくなってしまいます。
血糖値をしっかり管理し、糖尿病を治療し続ければ深刻な合併症を避けたり、場合によっては後退させることができます。毎日の気分や体の変化に注意し続け、何か変化があれば医師に伝えましょう。
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