禁煙すると便秘になる可能性があるって、本当?

2017/8/8

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

都市伝説のように囁かれている、「禁煙すると便秘になる」というフレーズ。これは禁煙した人の多くが実際に語っているように、都市伝説でもデマでもありません。ここでは、禁煙すると便秘になる理由や、改善のための方法をお伝えします。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

なぜ禁煙すると便秘になりやすくなる?


喫煙していた頃、タバコと便意がペアのように結びついていた人は多いでしょう。それは、タバコに入っているニコチンが胃や大腸を刺激することによって起こっていた現象です。

通常、人が便意をもよおすのは、腸の蠕動運動をつかさどる脳内物質、アセチルコリンの働きによって腸の内容物が動くからです。
ニコチンはアセチルコリンと似た構造をしているため、体の中でアセチルコリンと同じような働きをするため、腸が蠕動し排便につながります。しかし、長期的に喫煙をしていると脳は常にニコチンが存在することに慣れてしまい、体内に自然に存在するアセチルコリンでは足りず、ニコチンによって便意をもよおす習慣ができてしまいます。
この状態で禁煙をすると、アセチルコリンだけでは不足しており、代わりの役割を果たしていたニコチンもない状態となるため、便秘になるというわけです。

禁煙による便秘を解消するために、生活習慣を見直そう


薬や病院に頼ることなく、生活習慣を見直すことによって、禁煙による便秘を抜本的に解決してしまいしょう。
そのための方法としては、以下のものがあります。

適度な運動・ストレッチ/規則正しい生活

適度な運動やストレッチをすることによって、体はもともと持っていた自然の働きを取り戻していきます。新陳代謝もよくなり、ニコチンの抜けも早くなることでしょう。

また、便秘と関係の深い自律神経を整えるには、「規則正しい生活」も大事となります。
決まった時間に就寝し、起床するというシンプルなことを守るだけで違いますし、さらに決まった時間にトイレに入る習慣もつけましょう。

水を飲む

これはその気になれば実行するのは難しいことではありませんし、それでいてとても有効です。
1日に2リットル程度を小分けにして飲みましょう。少しトイレが近くなってしまうかもしれませんが、それによってニコチンも出ていきますし、便も柔らかくなりますから、排便もしやすくなるはずです。

便秘を解消するおすすめの食べ物は?

ヨーグルト

やはり代表格として挙げられるのは、腸内環境を整えてくれるヨーグルトです。さらに、腸内にいる善玉菌を増加させるオリゴ糖を摂りましょう。
ヨーグルトにリンゴやバナナといった、食物繊維の豊富なフルーツを入れたり、オリゴ糖をかけて食べるのも良いでしょう。

食物繊維が豊富な食べ物

・アボカド
女性なら「便秘に効く食べ物」としてご存じかもしれません。食物繊維が豊富ですのでオススメです。
・キャベツ
・アスパラ
・きのこ類
・海藻類

おわりに:つらいときは医師に相談してみるのもおすすめ

ニコチンが体から完全に抜けるのに、2週間から1ヵ月程度かかると言われています。その間の便秘に耐えるのは、非常につらいことでしょう。こんなことなら禁煙をやめようかと思ってしまうかもしれません。ほんとにつらなくなったなら、一人で悩まず、医師に相談してみるのもオススメします。

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