記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2025/5/21
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
不眠症で眠れない日々が続くと、心身ともに疲労が溜まり、仕事・学校・日常生活にも支障が出てくる場合があります。また、睡眠の悩みは、冗談っぽく話すことはあっても、なかなかきちんと相談できないという人もいると思います。この記事では、不眠症の症状の特徴と日常生活でできる不眠症対策について解説していきます。
不眠症には、一次性不眠症と二次性不眠症があります。一次性不眠症は、他の健康に関する問題とは直接関係がなく、ストレス・情緒不安・疲労などが原因で引き起こされる不眠症のことです。ただし、これらの原因が改善された場合でも不眠症が続く場合があります。二次性不眠は、睡眠時無呼吸症候群・関節炎や頭痛などの慢性的な痛み・治療薬・アルコール・カフェイン・その他の病気や物質など、別の健康に関する問題が原因の不眠症になります。不眠症では、おもに以下の変化・症状が現れます。
日常生活できる不眠症対策として、おもに以下が挙げられます。
睡眠サイクルが確立されると、眠りにつきやすくなります。毎日一定の時間に起き、一定の時間に寝るようにすると、睡眠サイクルが確立されるため、決まった時間に就寝・起床するようにし、規則正しい生活を送るようにしてください。土日・祝日にお昼まで寝てしまうなど、お休みの日は遅い時間に起きているという人もいると思いますが、お休みの日も、仕事・学校がある日も、なるべく同じ時間に就寝・起床するようにしましょう。
アルコール・ニコチン・カフェインは、どれも不眠症の原因になります。睡眠のみに関して言えば、カフェインの覚醒作用は長く続き、睡眠中にも影響します。眠りにつくのを妨げるだけでなく、睡眠中に目が覚める「中途覚醒」の原因になることもあります。アルコールは、摂取して数時間は鎮静作用が働くため、眠気に誘われ寝つきやすくなりますが、その後は覚醒しやすくなり、夜中に目が覚めてその後眠れないという状態に陥りやすくなります。また、ニコチンにも覚醒作用があり、摂取量が多い人ほど、寝つきにくく、睡眠が浅くなりやすい傾向にあるといわれています。
長時間の昼寝や遅い時間の昼寝は、夜寝つきにくくなる原因になり、睡眠の質も下がりやすくなります。
昼間に適度な運動をすることで、睡眠の質が高くなり、睡眠が持続しやすくなると考えられています。ただし、寝る前に運動すると体が覚醒状態になり、寝つきにくくなるため注意が必要です。なるべく、寝床につく2時間くらい前までには運動を終わらせるようにすることをおすすめします。
夜食を食べたり就寝前に食べたりすると、消化系が活発になることで寝つきにくくなると考えられています。また、寝る前に飲み物を飲み過ぎると、トイレに行きたくなることで、夜中に目が覚めてしまう可能性があります。
寝室は暗く、静かで、適温になるように環境を整えましょう。暗くできない場合、光が差し込んでいる場合、音が消せない場合は、アイマスクや耳栓を使用しても良いでしょう。
寝る前は、リラックスできることをしましょう。例えば、読書をしたり、ゆったりとした音楽を聴いたり、アロマを使ったお風呂に入ったりするなどがおすすめです。心配事で眠れなくなってしまう人は、次の日のことについてはなるべく考えないようにしてください。
不眠症は、日常生活でできるちょっとした対策で改善する場合もありますが、専門的な治療が必要な場合もあります。不眠が長期化していたり、不眠や仕事・学校・日常生活に支障が出ているほどの重症の不眠がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。また、市販の睡眠薬を自己判断で長期服用することもあまりおすすめしません。睡眠に関する悩みがある場合は、まずは医師に相談することをおすすめします。