ナルコレプシーの治療法について ~ 薬と生活習慣の見直しが大切 ~

2017/9/12

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

睡眠障害の1つ「ナルコレプシー」は、日中に突然眠くなり、発作のように眠ってしまいます。入試や仕事の打ち合わせ中でも、所かまわず眠りに落ちます。周囲の人はとても驚くでしょう。そんなナルコレプシーの治療法についてまとめてみました。

ナルコレプシーの治療で服用する薬は?

ナルコレプシーの検査は?

ナルコレプシーを診断する際に、睡眠潜時反復検査(MSLT)をすることがあります。日中どのくらい眠いかを測定するのです。

これは通常、睡眠研究室で一夜を過ごした後にに行われます。ナップ(昼寝)検査と呼ばれます。

日中に20分、4〜5回昼寝するように求められ、頭皮や顔につけられた機器をモニターすることで、入眠にかかる時間、様々な段階、特にレム睡眠に到達する時間を記録します。
その結果、非常に簡単に眠り、数分以内に深い睡眠の段階に達する人は、ナルコレプシーに苦しんでいる可能性があります。

ナルコレプシーの薬は?

アドラフィニル

アドラフィニルは体内で代謝され、モダフィニルを生成します。どちらもアンフェタミン様作用を伴わない精神刺激薬です。
アドラフィニルの標準服用量は、1日600〜1,200mgであり、これはナルコレプシーを治療する目的で、600mgを1日2回(朝と昼)、または覚醒時に1日に1回600〜900mgのいずれかであると報告されています。

モダフィニルの方が、医薬品として適しているため、この目的のためにアドラフィニルは使用されなくなりました。これらの用量は、処方薬オルミフォンが入手可能になったときの推奨事項を反映しています。
睡眠を損われるため、午後と夕方にはアドラフィニルを服用しないでください。アドラフィニルは週に3回を、最長5カ月として服用される傾向があります。

メチルフェニデート

ナルコレプシーやADHDの治療に用いられる精神刺激薬で中枢神経を刺激し、精神活動を高める興奮剤の一種です。
一般製剤では、「リタリン」と徐放性製剤(薬の効果が長くなるように剤形を工夫したもの)の「コンサータ錠」があります。

「リタリン」は病的に眠気に襲われてしまうナルコレプシーという疾患にもちいられ、脳神経の活動を活発にして眠気を除去します。
「コンサータ錠」は、ADHD(注意欠陥/多動性障害)の治療薬として使用されています。不注意や多動性などを改善する効果があるといわれています。

メチルフェニデートは、安易な処方や不適切な服用による依存症が問題となり、その取り扱いは厳しい制限が設けられています。
【出典:厚生労働省ホームページを編集して作成 https://www.e-ealthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-061.html

ナルコレプシーでの夜間睡眠問題は、入眠障害よりも、睡眠の安定が悪く中途覚醒が多い点です。中途覚醒を減らす目的でベンゾジアゼピンないしそのアゴニストの睡眠薬を使用しますが、超短時間作用型よりは、短時間型ないし中間型作用の薬剤が用いられることが多くなります。

症状を和らげるために、日常生活の中で気をつけること(日中編)

ナルコレプシーの症状を和らげるために、次に挙げたことを気をつけましょう。

・ 夜間に十分な睡眠をとり、規則的な生活を心がけるようにしましょう
・ 午後の眠気を軽減するために、昼休みなどには、積極的に短時間の昼寝をしましょう

生活スケジュール上可能であれば、数時間に 1 回ずつ計画的に午睡を取りましょう
・ カフェインは適宜摂取してもだいじょうぶです

【出典:日本睡眠学会「ナルコレプシーの診断・治療ガイドライン」を編集して作成 https://www.e-ealthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-061.html

症状を和らげるために、日常生活の中で気をつけること(就寝時編)

ナルコレプシーは、入眠時の不眠よりも安定した眠りを妨げられるものです。継続した睡眠を確保することに気をつけましょう。

毎日ばらばらの時間に寝ていたり、昼寝をしていたり、寝る前にリラックスできていない場合には、よく眠ることができず苦しむことになるかもしれません。

睡眠環境が整っていないことによっても、途中で起きてしまう可能性があります。例えば、ベッドが自分に合っておらず不快に感じる、寝室が明るすぎたり、うるさすぎたり、暑すぎたり寒すぎたりすることなどです。

おわりに:治療薬と生活習慣の見直しで、ナルコレプシーの症状を抑えよう

ナルコレプシーは、神経障害である睡眠障害の1つです。決して怠けて、眠くなるわけではありません。仕事や学業に支障が出てしまう眠気を抑えるためにも、病院で治療をしましょう。日本睡眠学会の認定医療機関や、内科や精神科・神経内科・心療内科などでも治療を受けられます。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

睡眠障害(44) メチルフェニデート(2) ナルコレプシー(13) リタリン(1)